もはや混乱の元? 車のドア部分にあるスイッチの意味や種類とは
スイッチの位置は人間工学に基づいている?
ドイツの自動車メーカーメルセデス・ベンツでは、電動ミラーとパワーウィンドウのスイッチがドアノブに集中していますが、そのすぐそばには「パワーシート用」のスイッチが配置されています。
多くのクルマでは手動・電動に関係なく、シートの前や左右に付いているレバーやスイッチによってシート調整をおこないます。
しかし、メルセデス・ベンツではドアに運転席をモチーフにしたスイッチが付いており、ヘッドレスト、背もたれ、座面、前後の位置を、複数の独立したボタンによって細かく調整することが可能です。
ボタン配置の理由について、メルセデス・ベンツ日本株式会社は以下のように話します。
「視認性、使いやすいさを重視して、触りやすく、見やすい場所に配置しております。また、形もシートの形をしており、直感的に動かせることを意識したデザインとなります」
さらに、メルセデスは、シート調整用スイッチのそばにシートヒータースイッチが配置されているものもあり、すべてのスイッチを集中することでドライバーを混乱させない工夫が見られます。
また、オープンカーの場合はパワーウィンドウなどのスイッチがドアパネルではなく、シフトレバーやサイドブレーキレバーなどと同じセンタートンネル上に設置されている例もありました。
これらのように革新的なデザインだけでなく機能性との両立もされている構成について、前出のメルセデス・ベンツの担当者は以下のように話します。
「人間工学に基づいて、シンプルに使いやすいようにデザインされております。安全性にも関係しています。
自動車事故は、ほとんどの場合、ドライバーのミスによっておこりますので、できるだけドライバーに疲労やストレスを感じさせないことで、ミスを起こしにくくするというアプローチのもと、人間工学や心理学を取り入れた車づくりをしております。
そのため、視線移動を最小限に抑え、両手でハンドルを握ったまま手の届く位置であらゆる操作が簡単にできるように、操作ボタン・スイッチ類を極力少なくし、サイズも大きく設計されています」
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パワーウィンドウとはじめとしたクルマの装備の電動化が進んだことで、それを操作するスイッチも年々増えています。
2020年1月にマイナーチェンジしたホンダ「S660」では、パワーウィンドウ用スイッチのほかにも、シートヒーター用スイッチ、さらには運転席と助手席の間にある「リアウィンドウ用」のスイッチが配置されています。
使いやすさや利便性を高めるはずのスイッチですが、クルマによっては混乱してしまいそうなほど多くなっているといえるでしょう。
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