マイナーチェンジで変わりすぎじゃない!? デザインが迷走した車5選
デザインが不評過ぎて「普通」になったクルマがある!?
●三菱「ミラージュディンゴ」
1999年に発売された三菱のトールワゴン「ミラージュディンゴ」は、同社のコンパクトカー「ミラージュ」の名を冠していますが、派生車ではなく独立した車種として登場しました。
外観のデザインで特徴的だったのがフロントフェイスで、ターンシグナルを内蔵した縦型ヘッドライトを採用し、テールライトもヘッドライトと同様に縦基調となっています。
発売当初は新開発の1.5リッター直列4気筒直噴エンジン「GDI」を搭載し、技術的には意欲作でしたが、販売はそれほど順調ではなく、むしろ発売年が販売台数のピークで年々下がる状況でした。
そこで、三菱は2001年にミラージュディンゴのマイナーチェンジをおこない、フロントとリアのデザインを刷新します。
とくにフロントフェイスはまったくの別物となり、ヘッドライトは縦基調から一般的な横基調となるなど、個性的とはいいがたいオーソドックスなデザインになりました。
初期のデザインを完全に否定することで販売台数の好転が期待されましたが、マイナーチェンジ後も販売台数は伸び悩み、2002年に生産を終了。
後継車はなく、ミラージュディンゴの名は一代で消えてしまいました。
●フィアット「ムルティプラ」
1956年に発売されたフィアット初代「ムルティプラ」は、リアにエンジンを搭載したコンパクトカー「600」をベースにした3列シート6人乗りで、コンパクトミニバンの先祖といえるモデルです。
このムルティプラの名前を受け継ぎ、1998年に発売された6人乗りミドルサイズミニバンが、大いに物議を醸します。
その原因がデザインで、爬虫類のようなフロントマスクに、キャビンはクルマの上にクルマが重なっているようにも見える奇抜すぎるルックスでした。
また、ムルティプラは2列シートながら、前席に3人、後席に3人乗車できる独立したシートレイアウトを採用。そのため全長3995mmに対して全幅1870mmと極端に幅が広くなっており、このバランスの悪さも不評の一因となります。
ムルティプラのデザインはとくに欧州で酷評されたことから、フィアットは2004年のマイナーチェンジでフロントウインドウから前のデザインを一新して発売。
しかし、今度は後期型のデザインがあまりにも普通すぎて、前期型の奇抜さを好む声が大きくなるという皮肉な結果となりました。
なお、日本には2003年から正規輸入されましたが、5速MTのみの設定だったためか販売は低迷。やはり前期型の方が人気のようで、現在販売されている中古車も前期型が多い状況です。
※ ※ ※
ムルティプラのように、奇抜なデザインはあまりにも好みが分かれ、不評となるケースが散見されます。
一方で、近年の軽トールワゴンやハイトワゴンのように、画一的なデザインで個性的とはいえないモデルもありますが、むしろそれを好む層も存在します。
メーカーは車種によって個性的か没個性かを選択しなければならず、これらの迷走モデルの存在からは、デザインの難しさが垣間見えます。
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