地味だけど人気は高い! トヨタ小型ワゴン「ルーミー」が売れ続けるワケ
2016年に発売されたトヨタのトールワゴン「ルーミー」が好調な販売を続けています。ときにはホンダの人気ミニバン「フリード」よりも高い販売台数を記録することもあるようですが、その人気の理由はどこにあるのでしょうか。
ミニバンよりもトールワゴン?
ミニバンの広い居住空間などの魅力を詰め込んだトヨタ「ルーミー」が好調な販売を見せています。2019年の登録車販売台数ランキングでは、7位の9万1650台を記録していますが、なぜこれほどまでに売れているのでしょうか。
ルーミーは、2016年11月に発売されたトールワゴンで、発売から4年目を迎えています。ダイハツ「トール」のOEMモデルという立ち位置で、兄弟車にトヨタ「タンク」、スバル「ジャスティ」が存在します。
ルーミーのボディは、全長3725mm(一部グレードで3700mm)、全幅1670mm、全高1735mmと、ミニバンよりもひと回り小さいサイズです。
実際に他車種と比べてみると、フリードでは、全長4265mm、全幅1695mm、全高1710mm、シエンタでは全長4260mm、全幅1695mm、全高1675mmとなり、短くコンパクトになっていることがわかります。
一方で、室内長は2180mm、室内高は1355mmとなり、後席をたためばロードバイクやキャンプに必要な荷物を積み込むための十分なスペースが確保できます。
また、前席と後席をつないだフルフラットの状態では大人2人が横になれる程度の余裕もあり、狭すぎず広すぎない、ちょうどよいサイズといえるでしょう。
安全装備も充実しており、もっとも価格の低い「X」を除いたすべてのグレードに、衝突回避支援システム「スマートアシストIII」が搭載されています。
フロントガラスには2個のステレオカメラ、フロントとリアバンパーにはセンサーが装備され、これによって歩行者への衝突や前方車輛への追突、車線逸脱警告、駐車時の前後警告、停車時のアクセルとブレーキの踏み間違い防止などのサポートをしています。
エンジンは、「X」「X “S”」「G」が1リッター自然吸気、「G-T」には1リッターターボとなっており、必要十分な動力性能を発揮。
このほかにも、グレードによっては両側パワースライドドアを標準装備するなど、ルーミーの快適性、安全性は十分といえます。
実際にルーミーを検討・購入するユーザーについて、トヨタの販売店スタッフは以下のように話します。
「ルーミーは車内に広さがあるものの、コンパクトなサイズから運転しやすく、『初めて運転する』という方から支持されています。
また、『ノア』では大きい、コンパクトカーでは小さいという人がルーミーに乗り換えることが多いです。
さらに前後に動くリアシートや、ナビ画面の上に表示されるアナログ表示の液晶時計など、使いやすさやインテリアにも人気があります」
別のトヨタの販売店スタッフは、「ルーミーのフロントガラスは傾きが少なく大きいためボンネットの距離感が把握しやすく、前方視界が良好という点もユーザーから好評を得ている」と話しています。
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2020年に入ってからは、トヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」などのコンパクトミニバンが販売台数を伸ばしていますが、ミニバンの要素を持つルーミーも依然として高い人気を保持しています。
軽自動車を除く普通車の新車販売台数ランキングでは、2月と3月はルーミーがフリードを上回りました。
4月はフリードが5位、ルーミーは8位という結果になりましたが、未だトップ10圏内を維持しています。ちなみに、ランキングでは兄弟車のタンクもルーミーに迫る勢いで、2020年にはいっても11位から13位の間でランクイン。
新型コロナウイルスの影響でクルマの販売台数が落ち込むなかで、今後もルーミーとタンクはほかのミニバンに負けない安定した人気が続くと予想されます。
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