都内の混雑に変化アリ? 渋滞量が前年比16%減 新型コロナの影響
日本全国の交通渋滞をとりまとめ、渋滞情報として公開している日本道路交通情報センター(JARTIC)は、2020年3月期における新型コロナウイルスが都内の交通渋滞へ及ぼした影響を明らかにしました。どのような変化があったのでしょうか。
東京都内の渋滞は減ったのか?
日本で、新型コロナウイルスの報道が多くなり始めたのが2020年1月下旬でした。その後、世界中で感染拡大が見られていくなかで、次第に日本でも連日のように新型コロナの話題で持ち切りだったのが3月です。
4月7日には東京を始めとする7都府県、16日には全国で緊急事態宣言が発令されたこともあり、その後は不要不急の外出を自粛する動きが広まりました。
では、その前の月となる3月時点の東京都内の渋滞状況には、変化があったのでしょうか。日本道路交通情報センター(JARTIC)は、東京都内の一般道路について新型コロナウイルスの影響が及んでいることを想定し、「渋滞統計システム」を活用して詳細な調査を実施しています。
渋滞統計システムとは、都道府県警察及び高速道路会社などからオンライン・リアルタイムに収集した渋滞・混雑情報を蓄積し、統計処理したデータを表示するもので、いつも混みあう地点やその地点の渋滞発生状況を経験則ではなく、統計的にアプローチすることができるシステムです。
なお、今回の調査は、渋滞統計システムから抽出される渋滞長等を基に渋滞量(時間当たりの渋滞長)を算出しおこなったといいます。
その結果、3月の渋滞発生状況は前年度同月と比較すると、渋滞発生個所は増加しているものの、渋滞量は約16.1%減少しており、新型コロナウイルスによる在宅勤務などによって外出を控えたことが渋滞量を減少させた可能性があるようです。
ただし、都内一般道路の渋滞発生状況は、平日に比べ休日(土曜・日曜・祝日)が減少する傾向にあるため、1か月に含まれる休日数を考慮する必要があります。
そこで、平日と休日で区分した1日当たり渋滞量を見ると、平日は約13.2%の減少、休日は約32.4%の減少。しかし、3月20日から22日の3連休は渋滞量が平日より多く、同月内でピークとなっていました。
また、都内の渋滞状況の変化(2019年と2020年の比較)を23区と多摩地域(市単位)で区分して確認すると、23区内は約12.2%の減少、多摩地域は約24.0%の減少となっています。(本項では休日数による影響を考慮していない)
各区市町の別で渋滞状況の変化を見ると、多くの地域で渋滞量は減少しているものの、一部の地域で増加していることが分かりました。
23区で増加している地域は、品川区、目黒区、中野区、荒川区。市域で増加している地域は昭島市、国立市、狛江市となっています。
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今回の調査対象となった東京都では、3月25日に小池都知事が「感染爆発の重大局面にある」と声明を出し、週末の外出自粛を要請しています。
交通状況に限っていえば、要請以前から自粛ムードにはあったことがわかりますが、3連休での気の緩みが感染爆発のひとつの要因ともいえるかもしれません。
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