日産「シルビア」初の3ナンバーでS14型は不評!? 最後のシルビアはスポーツカーらしさ全開

昭和から平成を駆け抜けた日産「シルビア」。大ヒットした5代目の後を継いだ6代目(S14型)は、ボディサイズが拡大され、丸くなったデザインのために人気はいまひとつでした。6代目モデルとともに、最終モデルの7代目を振り返ります。

5代目のヒットから一転、苦戦を強いられた6代目シルビア(S14型)

 生産終了から18年が経過する現在においても、語り継がれる日産「シルビア」。6代目のS14型と最終型となるS15型について振り返ります。

 大ヒット作となった「S13型」の後を継いで1993年10月に登場した6代目の「S14型」は、シルビアとしては初の3ナンバーサイズのボディとなりました。

3ナンバーへボディサイズが拡大した日産「シルビア」(S14型)
3ナンバーへボディサイズが拡大した日産「シルビア」(S14型)

 3ナンバーとはいえプラットフォームは先代モデルのアップデートであり、全幅が1730mmとわずかに5ナンバーサイズを超えただけでしたが、先代と比べると丸みのあるデザインも災いしたのか「大きく重くなった」という印象を持たれてしまいました。

 かつては3ナンバー車になると自動車税が一気に高額になったのですが、1989年に排気量別の税率に改定。

 しかし、自動車税が変更されて間もない時期だったことや、RV車ブームが巻き起こっていた背景などもあり、6代目シルビアは販売面では苦戦を強いられることとなります。

 とはいえ、クルマとして性能は先代よりも確実に向上しており、搭載されるエンジンこそ「SR20型」と変わっていませんが、NAモデルはハイオク仕様となり160PSに、ターボモデルは220PSへと大きく向上。

 足回りも、ターボモデルは5穴化され(NAモデルにもオプション設定)、よりハイパワーにも対応できるようになりました。

 1996年6月には後期型へマイナーチェンジ。評判の芳しくなかったエクステリアに大きくメスを入れ、シャープなつり目型のヘッドライトを採用しました。

 内装もシートやドアトリム、メーターなど多くの部分に変更を加えていますが、メカニズム的に大きな変更はありません。

 そして1997年10月には、オーテックジャパンが手掛けたカスタマイズカー「オーテックバージョン K’s MF-T」が登場。

 これはターボモデルの「K’s」をベースに、オーテックジャパンがチューニングを手掛けたモデルであり、ターボをIHI製の専用ターボチャージャーへ換装し、大型インタークーラーを装着。それに伴って開口部の大きな専用バンパーを装着し、エキゾーストもFUJITSUBO製のものに交換されていました。

 さらに足回りやタイヤ、ホイールも変更され、リアには大型のスポイラーを備えるなど、各部に手が入りながらも299万円。いま思えばかなりのバーゲン価格といえるモデルだったのです。

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