屋根が開かないロードスターがあった!? まるで「亜種」のような車5選
屋根にまつわる2台の派生車とは!?
●ホンダ「N-BOXスラッシュ」
2011年に発売されたホンダ初代「N-BOX」は、全高1780mmの軽トールワゴンです。ホンダ独自のセンタータンクレイアウトの採用とエンジンルームのサイズ圧縮などにより、軽自動車としては広い室内空間を実現したことで大ヒットしました。
そして2014年には、N-BOXをベースに全高を1670mmまで低くして、箱型スタイルながらクーペのようなフォルムの「N-BOXスラッシュ」が登場します。
主にアメリカで見られるカスタマイズの手法である「チョップドトップ」は、ピラー部分を切って寸法を詰め、再度屋根を溶接して製作されますが、N-BOXスラッシュはまさにチョップドトップをイメージさせました。
ルーフラインはリアに向かって下げられ、サイドウインドウのラインを後ろに向かって上げたことで、力強い印象に変貌。
また、リアドアがN-BOXのスライドドアに対してヒンジドアに変更されているなど、大幅に手が入れられています。
内装もまるでカスタマイズされたように色や素材にこだわり、N-BOXシリーズのなかでも独創的なモデルに仕立てられていました。
なお、N-BOXスラッシュは、2代目N-BOXが発売された後もモデルチェンジすることなく継続して販売されていましたが、2020年2月をもって販売を終了しています。
●マツダ「ロードスタークーペ」
マツダ「ロードスター」はマツダが提唱する「人馬一体」というコンセプトを具現化したオープンライトウェイトスポーツです。1989年に初代が発売されると世界中で人気となり、1998年にはキープコンセプトとした2代目が登場。
そして、2代目が発売されてから5年後の2003年に、初代で構想していたものの実現できなかったクーペモデルの「ロードスタークーペ」が発売されました。
製造はマツダの関連会社「マツダE&T」が担当し、ベースとなるロードスターのシャシに、屋根やリアフェンダーなど新規に製作されたボディパネルを溶接する手法で製作。
その工程のほとんどが手作業だったため、若手作業者の育成が課題になりましたが、マツダの熟練技能者の技術支援を受けられたことで、解決されたといいます。
なお、ボディパネルが増えることで懸念された重量増も約10kgに抑えられたため、ロードスタークーペでも人馬一体が実現されました。
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今回紹介した5台のなかで、クラウンエイトがセンチュリーへ、ロードスタークーペが電動リトラクタブルハードトップの「ロードスターRF」へ、マーチBOXが「ノート」へと、それぞれコンセプトが引き継がれています。
異端なモデルのようにも見えますが、ある意味時代を先取りしたクルマともいえるのではないでしょうか。
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