空港を200キロで爆走!? レースも出来る「農道空港」ってなに?
現在ではどんな用途で存在する?
事業廃止後の数年間は行き場を失ってしまった農道空港ですが、転機が訪れます。
2001年におこなわれた農道空港の規制緩和です。もともと「建設から10年間は農作物の輸送に限る」とされていた空港使用の条件が、1991年から10年が経過したことによって、緩和されたのです。
これによって農作物の移動以外にも、有効活用に向けた取り組みができるようになりました。現在の使われ方について、前述のふくしまスカイパークの担当者は以下のように話します。
「現在の農道空港は、管轄している団体よって使われ方が異なります。ドローンの使用ができるようなポピュラーな場所もあれば、役所が管理していてイベントの開催が難しいところまで、さまざまです。
ふくしまスカイパークでは、あくまで滑走路を持つ『空港』という面を大事にしているため、メインは飛行機やヘリコプターの離着陸で使われています。
個人所有の飛行機や、県警や消防などのヘリコプターの訓練などです。とくに東日本大震災以降は、防災拠点としての一面も強くなっています。
また、滑走路が空いているときには、ドラッグレースといったイベントに貸し出しをしています。空港としての使い方を優先しつつも、さらなる有効的な使い方を常に考えています」
ドラッグレースとは、さまざまな種類がある自動車レースのなかでも「直線のスピード」に特化したレースを指します。
元々はアメリカの違法レースが発祥といわれており、スピードに特化してチューニングされたクルマや、レース専用車を使うのが特徴です。
スタートから5秒もかからずに時速500キロに達することもあるといい、海外では人気を博すレースであり、ドラッグレースを題材にした映画も制作されるほどで、。直線で速度を競うレースであることから、「滑走路」という形が好条件となっているようです。
ほかにも、日本で初めて作られた岡山県笹岡笠岡市の笹岡笠岡ふれあい空港は、ラジコンの聖地 とも呼ばれています。
1995年にアジア初のラジコン競技会を開催したところ、20万人を超える動員数を記録したのを皮切りに、口コミで人気が広まったようです。ほかにも、「鳥人間コンテスト」に使われるような人力飛行機の飛行試験場としても使われています。
また、医療・防災現場への貢献度も高く、2001年の規制緩和以降は「ドクターヘリ・防災ヘリの離着陸」や「消防防災航空隊」の基地としても活用されています。
さらに、毎年秋には開催される飛行機やクルマのショーを楽しめるイベント「空と大地のひまわりカーニバル」も開催されています。
現在の農道空港は、滑走路として本来の役目である「発着場所」という立ち位置を大切にしつつも、レースやラジコンイベントなどの開催場所としても注目を集めているようです。
農地のど真ん中という特殊な立地こそ、イベントにおいて不可欠な「非日常」を演出してくれる大きなポイントになっているのかもしれません。
空港を200キロで爆走!? レースも出来る「農道空港」ってなに?
2020.04.10 Peacock Blue K.K.
の上記記事について
いつも楽しく拝見させていただいています。
上記記事内にアップルポート夜市とありますが、
正式にはアップルポート余市です。
このたびはご指摘いただき、誠にありがとうございます。
修正いたしました。