なぜ日産は流行りに乗らない? タブレットモニター普及でも 据置にこだわる理由

最近のクルマのディスプレイは、大きなタブレット型がトレンドです。大画面に情報が表示されることからさまざまな車種に採用されていますが、一方で日産は、タブレット型は採用しないといいます。それはなぜなのでしょうか。

流行りのタブレット型ディスプレイに日産が「ノー」という理由とは?

 クルマの内外装のデザインの流行は、時代に合わせて変化していきます。最近のクルマのトレンドとしては、インパネにタブレット型の大型ディスプレイを備えることがあげられます。

流行りのタブレット型ディスプレイを搭載するトヨタ「プリウス」
流行りのタブレット型ディスプレイを搭載するトヨタ「プリウス」

 アップル社のiPadに代表されるタブレットは、パソコンよりもコンパクトで持ち運びしやすく、スマートフォンよりも画面が大きくて視認性・操作性などが良いことから、便利なツールとして普及が進みました。

 その流れをうけ、クルマのディスプレイにもタブレット型が採用されることが増え、トヨタは「プリウス/プリウスPHV」など、輸入車ではボルボやテスラが搭載。スバルは、北米で販売する新型モデルから、大型のタブレット型ディスプレイを順次搭載しています。

 縦型のタブレット型ディスプレイは先進的なイメージを与えるとともに、地図データや車両データ、車内の空調コントロールなど、さまざまな情報を大画面に表示し、機能面でもメリットがあります。

 その一方で日産は、「タブレット型のディスプレイは採用しない」というのですが、それはなぜなのでしょうか。

 2019年10月に開催された東京モーターショー2019で日産が世界初公開した電気自動車SUV「アリア コンセプト」は、同車の新しいビジョンを体現した新世代モデルとして登場しました。

 外観のデザインは、幅広いフロントフェンダーや超極薄LEDヘッドライト、輝く日産エンブレムを特別にあつらえたフロントシールド(ガソリン車のグリルに相当する部位)など、さまざまなところに新しいデザインランゲージの要素が散りばめられています。

 内装においても同様で、インストルメントパネルとドアパネルがシームレスにつながり、一体感のあるすっきりとしたダッシュボード周りには、ボタンやスイッチを配していません。

 車両を“起動”すると、インストルメントパネルにハプティック(触覚)操作ボタンを表示。物理的なボタンやスイッチは、スタートボタンと12.3インチのディスプレイモニター用の操作ノブ、エアコン操作ボタンのみで、これらはインストルメントパネル下部の木製部分に組み込まれています。

 日産は、「最新のトレンドよりもデザインとビジョンを優先して、アリア コンセプトのディスプレイを開発した」と説明しており、アリア コンセプトには、流行りのタブレットの代わりに、波を連想させる湾曲した2画面のディスプレイを備えました。

 横長のディスプレイのデザインは、すっきりした見た目を実現するだけではなく、人間工学に基づいて採用されているともいいます。

 運転中の人間の目は、自然と左・右を見ており、横方向にディスプレイをレイアウトすることで、より多くの情報を見ることができるとされています。

 そのため、上から下に情報が表示される縦型のタブレット型のディスプレイではなく、横方向のディスプレイを日産は選んだというわけです。

 アリア コンセプトのディスプレイは、従来の車と同様にインストルメントクラスターの場所に運転情報を表示し、センター画面にエンターテイメント情報やコンフォートコントロール、システムステータスを表示します。どちらも、運転手と助手席の間をシームレスに流れる滑らかなパネルにまとめられています。

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