幻の計画!? 「2ストエスティマ」があった!? ミニバン市場を開拓した30年

惜しまれつつ姿を消したエスティマ…

 2代目エスティマは、2000年から2006年までの6年間販売されていました。

2019年で姿を消したトヨタ「エスティマ」(2016年6月マイナーチェンジ)
2019年で姿を消したトヨタ「エスティマ」(2016年6月マイナーチェンジ)

 初代エスティマは、「エミーナ」「ルシーダ」など名前の異なる車種が存在しましたが、2代目では基本的に「エスティマ」へと一本化されています。

 初代との大きな違いはエンジンレイアウトで、MRをやめてFFに変更。これによって室内はより広く快適になり、初代では歩道側である左側にしかなかったドアも、両側スライドドアとなりました。

 また、2代目エスティマで追加された「エスティマ ハイブリッド」は、「世界初のミニバンハイブリッドカー」という象徴的なモデルでもあります。

 当時の10・15モード燃費では、ガソリン車が8.6km/Lから11km/Lであるのに対して、ハイブリッド車では18km/Lから18.6km/Lを記録。「ミニバンは燃費が悪い」というイメージを覆したクルマです。

 3代目エスティマは、2006年から2019年までの13年間販売。エスティマの最終モデルであると同時に、歴代でもっとも長寿命を誇るモデルでした。

 クルマのピラー部分が黒く塗装された「フローティングルーフ」が採用され、ルーフが浮いているような特徴的な外観を備えています。

 販売期間中の2011年3月11日には東日本大震災が発生しましたが、その際にはエスティマハイブリッドの標準装備であった「AC100Vアクセサリーコンセント」が緊急電源として活用され、クルマが単なる移動手段ではなく、災害時の貴重な電源になることを証明しました。

 また、3代目エスティマは長いモデルライフのなかで3度のマイナーチェンジが実施され、おもにフロントマスクに大きな変化が見られます。

 とくに3度目のマイナーチェンジでは、フロントバンパーに縦型のLEDライトが配置されるなど、非常にスポーティーな外観へと変身を遂げています。また、安全装備でも進化しており、「トヨタセーフティセンスC」が全グレードに標準装備となりました。

 しかし、近年は販売台数が低迷しており、2019年上半期(1月から6月)の販売台数は4747台で、同年上半期にもっとも売れたトヨタ「プリウス」の7万277台と比べて約6%、同年4位の日産「セレナ」の5万3662台と比べても約8%に留まっています。

 実際、トヨタにはコンパクトミニバンのシエンタ、ミドルサイズの「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」、高級ミニバンの「アルファード/ヴェルファイア」といったモデルが販売台数を伸ばしており、エスティマ自体の陰が薄れていたことは事実でした。

 その結果、エスティマは約30年という歴史に幕を下ろすことになったのです。

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