ランクルやスカイラインは50年以上も同じ名前!? 国産メーカーでもっとも古い車は何?
独創的な個性で1970年代から愛され続けるモデルも
●ホンダ「シビック」
自転車用の補助エンジンからスタートし、先に二輪を登場させたホンダは、第二次大戦前から自動車製造をおこなっていたトヨタや日産に比べると、四輪への参入が1963年と遅めです。
当初は「T360(トラック)」や「S500(スポーツカー)」のように、ローマ字と排気量を表す数字を組み合わせた車名で、ちゃんとした名称が与えられたのは1970年に登場した「バモスホンダ」が最初になります。
バモスは2019年に生産終了しているため、現在も使用されている車名でもっとも古いのは、ホンダの世界戦略車として1972年にデビューした「シビック」です。
初代シビックは効率と居住性のバランスを追求したクルマで、当時日本の小型車のほとんどが3ボックス(セダン)のFRだったのに対し、同車はFFの2ボックス(ハッチバック)を採用。
また、低公害エンジン(CVCC)や、2速セミオート式の変速機「ホンダマチック」などホンダらしい革新的な技術が投入され、第一次オイルショックの影響による燃料費の高騰や、排出ガス規制の強化がおこなわれていたなか、世界的な大ヒットを記録しました。
現行シビックは2017年に登場した10代目で、2020年1月にマイナーチェンジを受けています。
シビックはグレード設定がシンプルなのが特徴で、ボディ違いの「ハッチバック」と「セダン」の2種をラインナップ。6代目からラインナップされるスポーツグレードの「タイプR」のマイナーチェンジは、2020年夏の予定です。
徹底して効率を突き詰めた初代シビックは、現在の軽自動車くらいのサイズでしたが、快適性の向上と厳しい現代の安全基準を満たす狙いから、現行は全長4520mm×全幅1800mm×全高1435mm(ハッチバック)とサイズアップ。
エンジンは1.5リッターと初代にも設定のあった排気量ですが、ターボが装着され78psから182psへと大きく向上しています。
●スズキ「ジムニー」
商用車も含めると、スズキで現存する最古の車名は「キャリイ」ですが、乗用車登録に限ると「ジムニー」が最も歴史のあるクルマになります。
もっともそのジムニーにしても1970年のデビュー当初は4ナンバー登録の商用車のみの設定で、乗用車登録モデルが用意されるようになったのは1995年からです。1998年に登場した3代目以降は乗用車登録専用のモデルになりました。
スズキを代表する軽オフローダーのジムニーですが、その誕生の経緯はちょっと複雑です。もともとはホープ自動車が開発した軽四輪駆動車「ホープスターON型」の製造権をスズキが譲り受け、同車の設計をベースに大幅に変更を加えて発売したことに端を発します。
もっとも大きく変わったのはエンジンで、ホープスターON型に搭載される富士産業製の360cc空冷単気筒は一般的な4ストロークエンジン。一方、ジムニーの360cc空冷2気筒は2ストロークと現代では絶滅した珍しい形式を採用しています。
1970年の誕生から50年が経ちますが、モデルサイクルが長いこともあって、現行型はまだ4代目のモデルです。
存在感のあるスクエアなスタイリングから大きく見えますが、全長3395mm×全幅1475mm×全高1725mmとあくまでも軽自動車サイズ。初代と比較してもひと回り大きいといった程度にすぎません。
エンジンは660cc直列3気筒ターボで、もちろん4ストロークです。最高出力は軽自動車の自主規制いっぱいの64psになります。
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マツダは、現在はほとんどの車種が英字数字となっており、名称が使われているのは「ロードスター」と軽自動車、商用車だけになります。
そのなかで、もっとも歴史のある名前は1962年からの「キャロル」ですが、現行モデルはスズキ「アルト」のOEMとなりました。
同様にスバルは、「サンバー」が1961年から存在していますが、こちらも現行モデルはダイハツ「ハイゼット」のOEMとなっています。
三菱は、1968年に小型トラックとして「デリカ」が登場。現在では、ミニバンとオフロード性能を掛け合わせたモデルの「デリカD:5」として、その名が継続しています。
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