車はうるさいほど速い? マフラー交換で車の性能が上がるワケ
時々、 非常に大きな排気音をさせながら街中を走行しているクルマがいますが、排気音がうるさいクルマは速いといえるのでしょうか。交換用マフラーの基礎知識を紹介します。
マフラーの役割とは? なんのためにカスタムする?
時々、非常に大きな排気音を発しながら街中を走行しているクルマがいます。そういったクルマの多くはマフラー以外もカスタマイズされていて、いかにも速そうです。
そうしたカスタムカーに乗る人が、あえて音が大きい社外品のマフラーに交換するのには、理由があるといいます。うるさい排気音のマフラーは、クルマを速くすることが目的なのでしょうか。また、そもそもマフラーとはどんな働きをする部品なのでしょうか。
マフラーといえば、リアバンパー下側に位置する筒の部分を指すのが一般的です。しかし、目に見えているのは「テールエンド」などと呼ばれる一部のパーツで、実際のマフラーはエンジンルームからクルマの最後尾まで繋がっています。
エンジンから排出された排気ガスは高温・高圧のため、そのまま大気中に放出してしまうと、温度差により膨張して爆音を響かせることになります。また有害物質が含まれている排気は、そのままでは環境汚染にも繋がってしまいます。
そのため、マフラーの途中に設置されている「触媒」によってクリーンに、サイレンサーによって静かにすることで、排気ガスを少しでもクリーンで静かに変える役割を果たします。
環境に対して重要な役割を担うマフラーですが、爆音を轟かせるドライバーは、なぜわざわざ社外品の有害でうるさいマフラーに交換するのでしょうか。
まず、マフラーをカスタムするメリットとして、大きく4つが挙げられます。
ひとつ目は「ドレスアップ」です。社外品のマフラー出口は純正品よりも太く、デザインにこだわったものが多く販売されています。ひとつだった出口がふたつに増えたり、丸い形状がスクエア型に変更されていたり、さらにはこぶしが入るほど大きな出口のものもあるようです。
出口だけを交換した見た目重視のカスタマイズも存在し、音量が大きい割に走行性能に変化がないことも多いようです。
ふたつ目は「トルク&パワーアップ」です。スポーツタイプのクルマに音の大きいマフラーが多い理由は、エンジン性能の向上を目的としているためです。
マフラーの口径を太くしたり、曲がりを少なくすることで、エンジンからの排気効率を向上させることができます。排気力が上がればエンジンをより活用できるため、走行にパワーが出ます。
また、各燃焼室からの排気のタイミングをずらすことでトルクアップも可能になります。
3つ目は「耐久性&軽量化」です。純正マフラーの材質はスチール素材のものが多く、重くて錆びやすいのが特徴です。その一方、社外マフラーはステンレスやチタンなどの軽量で錆にくい素材が採用されています。見た目も奇麗なものが多いです。
塩害被害でマフラーが早く腐食してしまう場合には、純正品ではなく社外品を使用することも珍しくはありません。
4つ目は「サウンド」です。同じクルマであっても、マフラーの種類を変えることで好みの排気音を実現できます。ただうるさいだけではなく、重低音や高音、心地よいスポーツサウンドなど、ハッキリと違いがわかるほどのサウンドチューンが期待できます。
しかし、年々と騒音規制が強化されているため、高年式の規制対象車は注意が必要です。
現在は「平成28年騒音規制」によって、マフラーの騒音を数値化した「近接排気騒音値」の上限が定められています。
一般的な乗用車であれば、FF・FR、フロントエンジンの4WDといった車両後部にエンジンを有するもの以外のものは91dB、MRやRRといった車両後部にエンジンを有するものは95dBが上限となっています。
なお、カスタムについては「新車時の近接排気騒音(車検証等に記載)に5dB を加えた値以下であること」とあるため、上限値よりも+5dBの範囲であればアフターパーツに交換しても問題ありません。
人に迷惑かけてまで爆音を轟かせてスピード出して交通事故で人を巻き込んで殺すってか?犯罪助長お疲れ様です。