トヨタ新型「ライズ」が絶好調! なぜかダイハツの販売店が盛況な理由とは
トヨタの新型小型SUV「ライズ」が爆発的な売れ行きを記録するなか、OEM元モデルとなるダイハツ新型「ロッキー」も、隠れたヒットモデルへと成長しています。そのうえ、ロッキーはダイハツの販売店へ来客するユーザー層まで変えているというのですが、販売の現場ではいったい何が起きているのでしょうか。
販売店数の差は4000店以上 それでも「ロッキー」絶好調
トヨタのコンパクトSUV「ライズ」の売れ行きが好調です。2019年11月に発売されて以降の販売台数は、2019年11月は約7500台、そして2019年12月から2月は各月で約1万台を記録しています。
一方、ダイハツにはライズのOEM元モデルとなる「ロッキー」が存在しますが、このモデルの存在によって、いまダイハツの販売店には変化が起きているといいます。いったい、なにが起きているのでしょうか。
ライズとロッキーはともにダイハツが開発したSUVで、OEM供給先のトヨタと開発元のダイハツで並行して販売されています。
ロッキーを販売するのは全国に約800店舗あるといわれるダイハツディーラーですが、ライズを販売するのは、全国約5000店舗で構成されるトヨタディーラー全店舗となり、営業力に差があります。
そんなロッキーは、日本自動車販売協会連合会が発表した登録車販売台数において、2019年11月に4294台を記録して以降、12月から2月の各月は3000台強を販売し続けています。
販売店数が5分の1以下しかないことを考えると、ライズの月1万台規模と比較しても、なかなかの人気ぶりといえるでしょう。
また、ロッキーはこれまでダイハツの販売店に呼び込めなかったユーザーの獲得にもつながっているといいます。ダイハツの販売店スタッフは次のようにコメントします。
「ロッキーを検討されるお客さまは、ホンダのSUV『ヴェゼル』や、トヨタのライズと比較されることが多いです。一方、ダイハツの小型車(登録車)という点で共通する『トール』と悩まれるお客さまはあまりいないように感じます」
ダイハツの登録車ラインナップには、2016年まで「ビーゴ」というコンパクトSUVがあったものの、その後2019年にライズが登場するまで、ダイハツは人気のコンパクトSUV市場に参戦しませんでした。
しかし、ロッキーが新たにラインナップされたことで、ダイハツは他社のSUVを検討する人に対してもリーチすることができたのです。
従来のダイハツユーザーの取り合いとはならず、新たなユーザー層を獲得することに成功しました。
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新型ロッキー/ライズのチーフエンジニアを務めたダイハツ 製品企画部の大野宣彦氏は、次のように話します。
「日本の乗用車市場は毎年横這いの状態ですが、SUVについては年々比率が上がっており、SUVの人気が高まっていることがわかります。
SUVを購入したユーザーに話を聞くと、不満点として『荷室が狭い』『車両価格が高い』『もう少し小回りが利くとよい』などの意見が多く寄せられました。
そこで、コンパクトサイズで広い荷室を持つ、新しいジャンルのSUVの世界があるのではないかと思い、新型ライズ/ロッキーの開発をはじめました」
今どきのユーザーの声を開発に取り入れてコンパクトSUV市場へ参入したダイハツの戦略は、見事に的中したといえます。
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