いまや軽市場は全体の4割も… 軽自動車に押されるコンパクトカー市場の行方とは
コンパクトカーは無くなる存在…?
軽自動車やミニバン・SUVに押されつつあるコンパクトカー。今後は、縮小傾向にあるのでしょうか。
ホンダは、4代目となる新型フィットの発売において、同社におけるコンパクトカー市場の重要性を説明しています。
それによると、歴代フィットは2001年に初代モデルが登場してから2020年1月時点で、累計269万台を販売。さらに、同社の保有車種では、2010年頃までは「ライフ」が圧倒的な保有台数を誇っていましたが、その後はフィットがもっとも多くなり全保有数のうち17%となる183万台(2018年末時点)を誇っていました。
また、2018年度時点での国内登録車市場全体を見ると、もっとも高いシェアを誇るのがコンパクトカー/ハッチバックの112万台(40%)、ミニバンの55万台(23%)、SUVの55万台(19%)、セダン/クーペの37万台(13%)、ステーションワゴンの14万台(5%)となっているのです。
登録車市場において、コンパクトカー/ハッチバックは最大シェアを誇るジャンルで、2000年以降全体の40%を維持し続けている安定した市場といえます。
新型フィットの投入背景について、商品企画担当者は次のように述べています。
「国内の登録車市場では、フィットが属するコンパクトカー/ハッチバックは、大変大きな市場です。新型フィットは、登録車の販売をけん引するエースとして育てたいと考えております」
また、売れ筋のノートや「デイズ」を販売する日産の販売店スタッフは、次のように話します。
「現行ノートは2012年に登場しています。その後、2016年に現在の販売を支える電動パワートレインのe-POWERが追加されました。実際に、ガソリン車との比較では約7割がe-POWER車を選んでいるようです。
一方で軽自動車の「デイズ」も好評です。e-POWER車の設定はありませんが、セレナやエクストレイルなどに搭載している先進安全技術「プロパイロット」を軽自動車初採用するなど、安全や運転支援の部分で好評頂いております。
当店では、e-POWERやプロパイロットのような先進技術がお客さまから評価され販売に繋がっているのだと思います」
最近では、上級モデルに採用される技術がコンパクトカーよりも先に軽自動車へ採用される例も増えており、益々コンパクトカーというジャンルの存在意義が危ぶまれる声も出ているようです。
しかし、前出の商品企画担当者は、次のようにも話します。
「ハッチバックタイプのコンパクトカーは無くならないと思います。確かに、軽自動車の性能向上やミニバン・SUVのダウンサイジングなどさまざまな面で、コンパクトカー市場に影響が出てはいます。
しかし、それと同時にユーザーのニーズも細分化され、ハッチバックを望むユーザーも一定数存在するので、今後コンパクトカーは存在し続けるのではないでしょうか」
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細分化し続ける国内市場。ユーザーのニーズが多くなるどそのジャンルはさらに増えてしまうのかもしれません。
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