「パラリラ音」は車検OK? ヤンキーの代名詞ホーンが減ったワケ

ホーンは「不協和音」で構成されている?

 クルマのホーンは、メーカーや車種によって音色が異なります。軽自動車やコンパクトカーでは、機械的な音が多いようですが、高級車になると同じ機械的な音でも少し音色が違って聞こえます。ホーンの音は、どのように決まっているのでしょうか。

社外製品と純正品の違い
社外製品と純正品の違い

 ホーン音は、ふたつの異なる音を、大音量で周囲に出すことで注意を促すものです。

 音量が大きければ驚いてしまうものですが、音自体が不快感や違和感を伴う不協和音で構成されれば、人は嫌でも警戒してしまいます。

 ある音楽教室によれば、不協和音とは、耳に心地よいとされる「協和音」の音程である、完全1度と8度、完全4度と完全5度、長短3度と長短6以外の音程を指すとされています。

 クルマのホーンは、「驚くもの」と「嫌なもの」を合体させることで、周囲に危険を知らせているのです。

 音を発するホーンには、薄く小さな丸い形状をした「平型」と、巻貝のような形状をした「渦巻型」があり、どちらも大音量の不協和音を発生させる点は同じですが、音色に違いがあるようです。あるカー用品販売店のスタッフは、次のように話します。

「当店で販売しているホーンには『平型』と『渦巻型』があります。ホーンを交換するお客さまは音色を重視される人が多いため、高級感のある音を出す『渦巻型』が充実しています」

 クルマ用ホーンを手がけるミツバサンコーワによれば、平型は「振動板」と「共鳴板」というふたつの板で音を鳴らすのに対して、渦巻型は「振動板」の音を「共鳴管」というトランペットのような管の中で増幅して鳴らしていて、こうした作りの違いが音色に影響しているようです。

 トヨタ「クラウン」などの国産高級車では、渦巻型のホーンを2個装着している例もあります。それぞれのホーンで「低音」と「高音」を独立させ、役割を分担することで、迫力のある音や、楽器のような音色を出しています。

 また、ホーンの音色が低いか高いかは、周波数によっても判断できます。前出のミツバサンコーワのホームページによれば、320Hzから420Hzが低音域、400Hzから490Hzが中音域、440Hzから550Hzが中高音域、480Hzから580Hzが高音域、580Hzから700Hzが超高音域などとされています。

※ ※ ※

 クルマのホーンに関する規定を定める、保安基準の第141条によれば、「音の大きさは、是自動車の前方7mの位置において112db以下87db以上であること」とあります。

 国内で騒音を調査する日本騒音調査によれば、90dbは「騒々しい工場の中」などうるさくて我慢できないレベル、100dbは「電車が通る時のガード下」など聴覚機能に異常をきたすレベルとされており、クルマのホーンがいかに大きな音かわかります。

 その音量で不協和音を鳴らされてしまうわけですから、多くの人にとって、クルマのホーンが鳴れば、嫌でも振り向いてしまいそうです。

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1件のコメント

  1. 因みに警笛は一台に一種類のみ
    例えばバスのエアーホーンと電子ホーン双方の切り替えができる物は不適合で何れかの配線を遮断しないと不適合と認識されます。
    しかしながら今回の記事ですが不正改造車はホーン以前で落ちるとは思いますがね?

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