SVの称号を冠した「アヴェンタドールLP750-4スーパー・ヴェローチェ」の役割とはなんだったのか

2011年の発表当時から噂されていた「SV」の存在。「アヴェンタドールLP750-4スーパー・ヴェローチェ」、通称「アヴェンタSV」は、ひとつの到達点であり、後期型アヴェンタドールのプロトタイプでもあった。

猛牛のアイコン、「SV」の系譜

 アヴェンタドールLP700-4がムルシエラゴの後継フラッグシップモデルとして、2011年春のジュネーブショーで発表されたときから、“SV”の存在はウワサされていた。

 ひょっとして、会社創立50周年に併せて登場するのでは? ともいわれていたのだ。とはいえ、中身も外見も正真正銘のフルモデルチェンジモデルを出して2年後の2013年に早くも追加モデル発表、では、さすがに早過ぎたのだろう。“たった”20馬力アップのLP720-4アニヴェルサリオ(クーペ&ロードスター)という、記念限定車をリリースするに留まった。

アヴェンタドールSVにはクーペだけでなくロードスターも用意される。クーペが600台、ロードスターが500台の限定モデルだ
アヴェンタドールSVにはクーペだけでなくロードスターも用意される。クーペが600台、ロードスターが500台の限定モデルだ

 実をいうと、アニヴェルサリオが発表になったとき、サンタアガタ本社に近いとある人物(仮にA氏としよう)から、こんな情報を得ていた。

「アニヴェルサリオを狙っているなら、“次”を待った方がいいよ。“次”は外見だけじゃなく、中身もがらっと変わってくるからね。」。

 マイナーチェンジまで待たなきゃいけないのか? と、聞き返してみれば、彼は即座に否定した。「違うよ、ウワサの名前のほうだ」。ハッと気づき、「SVか……」、とうつむき加減で自らに言い聞かせるよう、つぶやいてみた。するとA氏はただにこりと笑って手を挙げ、その場から立ち去ったのだった。

 アヴェンタドール衝撃のデビューからちょうど4年。4年前の春と同じジュネーブショーにおいて、待望のアヴェンタドールLP750-4スーパー・ヴェローチェ、略してSVが発表される。

フロアパネルやセンターマークのあるステアリングなど、SVの特徴は多い
フロアパネルやセンターマークのあるステアリングなど、SVの特徴は多い

 SVの歴史は、スペシャルなランボルギーニの歴史でもある。1971年に登場したミウラP400SV(スピント・ヴェローチェ)にはじまり、1996年のディアブロSV(スポーツ・ヴェローチェ)、そして2009年のムルシエラゴLP670-4SV(スーパー・ヴェローチェ)、と、いずれもマニア垂涎のモデルばかり。SVという頭文字が指し示す単語(意味合い)こそ時代とともに変遷してきたものの、SVの二文字がその名に付されるたびに、熱狂的な猛牛信者は倍増を重ね、それ自体が伝説化していった。SVは、猛牛のアイコンとなったのだ。

 アヴェンタドールのスタンダードモデルからSVへの進化に際して、注目すべきポイントは大別して3つある。そのうち、ランボルギーニファンの心を捉えて離さなかったのが、アグレッシブなエアロスタイルの採用と、名前が示す通り最高出力の向上だ。

 スタイリングに関していえば、ご覧の通りの大迫力ものである。とはいえ、見映え重視では決してない。ややもすれば大げさにみえるエアロパーツも機能の産物というべきで、ノーマルに比べ空力性能は格段にアップした。

 フロントバンパーはウィング形状が顕著となった。まるで牙をむいた猛獣だ。サイドステップは内にえぐるようなデザインで、リアクォーターのインテークは固定式となり、リアアンダーディフューザーもまるでレースカーのよう。特徴的な固定式リアウィング(マニュアル三段階調整式)は、ノーマル比+170%のダウンフォースを生む。ちなみに、追加されたエアロデバイスの類はすべてCFRP(カーボンファイバー)製である。

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