伸びるアンテナなぜ減少? 若年層では存在を知らない場合も

こんなところにアンテナが? 昔は意外なところにアンテナが付いていた

 国産車として初めてアンテナを装備したのは、前述のとおりクラウンですが、設置場所は助手席側のフェンダーにありました。

 その後、1958年に発売されたスバル「スバル360」では、蚊取り線香状のアンテナをルーフのなかに収めています。現在、主流の「アンテナはルーフに設置するもの」のルーツといえます。

国産車で初のラジオアンテナを採用したといわれるトヨタ「トヨペットクラウン」
国産車で初のラジオアンテナを採用したといわれるトヨタ「トヨペットクラウン」

 手動伸縮タイプの進化系として登場した電動伸縮タイプのアンテナは、Cピラーと呼ばれる、クルマのトランクとリアガラスの周辺に設置されるものが少なくありませんでした。

 電動伸縮タイプでは、電動モーターでアンテナを上下させるため、スペースに余裕のある場所に設置せざるを得なかったのかもしれません。
 
 海外でレクサス「SC」として販売されていたトヨタ「ソアラ」では、電動オープンカーである構造上Cピラー付近には設置できず、さらに後方のリアバンパー近くに電動伸縮アンテナを装着していました。

 ある中古車販売店のスタッフは、電動伸縮アンテナについて以下のように話します。

「年式の古い中古車だと、電動伸縮アンテナが後方に装備されているものが多いです。そのため、アンテナが伸びるとドアミラーに映って気になるという人もいます。また、お客さまによっては、『電動伸縮機能をキャンセルできないか』という問い合わせをいただくこともあります。

 電動伸縮アンテナはオーディオを聞いている際でも伸びてしまうのですが、最近はスマートフォンと接続したカーナビで音楽を聞く人もいるため、電動伸縮アンテナを必要としていなかったなど、『古いクルマっぽくて恥ずかしいから外したい』といった理由があるそうです」

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「世界最古の車載ラジオ」の例は諸説ありますが、1920年代のアメリカで、フォード「モデルT」に、家庭用ラジオを積んだものとされています。

 当時はアンテナも小型ではなかったため、クルマを走らせながらラジオを聞くというのは難しかったことがうかがえます。

 現在のアンテナはコンパクトになり、ETCやカーナビ用のアンテナは、フロントガラスやリアガラスに貼り付けられるフィルム状にまで小さくなりました。

 今後は、クルマの性能に影響しないよう、アンテナの存在感はさらに小さくなっていくのかもしれません。

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