損得どっち? 急速に広がる「サポカー制度」のメリット・デメリット

「サポカー補助金」の条件は?

 価格差のデメリットを補ってサポカーの普及を促進するため、「サポカー補助金」や「自動ブレーキ割引」といった割引制度も登場しています。

「サポカー補助金」は、2019年12月23日以降に新車新規登録されたクルマが対象となり、補助金を受けられる条件は、2020年3月時点で「65歳以上のドライバー」と「65歳以上のドライバーを雇用する事業所」のどちらかで、どの安全装置が搭載しているかによって補助金の金額が変わってきます。

 対歩行者衝突軽減ブレーキとペダル踏み間違い急発進抑制装置のどちらも搭載している場合は、補助金額は「登録車10万円・軽自動車7万円・中古車4万円」です。

 ほかにも、対歩行者衝突軽減ブレーキ搭載車は「登録車6万円・軽自動車3万円・中古車2万円」、後付けのペダル踏み間違い急発進抑制装置搭載車は「障害物検知機能無4万円・障害物検知機能付2万円」の補助を受けることができます。

 また、自動車保険会社によっては「自動ブレーキ割引」を設定しています。ASV割引とも呼ばれ、新車発売後3年以内の衝突被害軽減ブレーキを搭載しているクルマが割引対象となりますが、発売後3年以降のクルマは割引が適用されません。

 これは、発売直後の車種における事故発生率を算出する期間と考えられ、事故発生率の違いによってその後の保険料が決まることになります。そのため、ASV割引終了後でも実質的には保険料が抑えられることが多く、結果としてサポカー対象車の保険料は安くなる仕組みとなります。

日産「デイズ」に搭載された安全機能が動作する様子(イメージ写真)
日産「デイズ」に搭載された安全機能が動作する様子(イメージ写真)

 サポカーについて、トヨタ販売店のスタッフは以下のように話します。

「ご高齢のお客さまに多いのは、予防安全装備などはややこしいからいらない、余計な装備がついて高くなるのは嫌、といった人がとても多い印象です。

 しかし、使い方もしっかり覚えれば安全性は確実に上がりますし、サポカー補助金の適用対象となれば価格差はほとんどなくなります。

 もし、家族にご高齢のドライバーがいる場合、しっかり装備や制度の説明をしてみてください。私の経験上、身内からのアドバイスの方が、格段に聞く耳を持って頂けます」

※ ※ ※

 衝突被害軽減ブレーキの義務化は、日本だけでなく世界40か国でも進んでおり、将来的に予防安全機能は全車標準装備となるとされています。

 高齢者だけでなく若者であっても、サポカーについて「よくわからない」という人も多いのが現状です。いまのうちから装備や制度についてしっかりと理解し、自分だけでなく周囲の人にも情報を共有することが大切です。

【画像】サポカー対応車ってどんな車種?(8枚)

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