損得どっち? 急速に広がる「サポカー制度」のメリット・デメリット

最近、話題の「サポカー」をご存じでしょうか。安全装置が盛りだくさんのサポカーは、高齢者だけでなくすべのドライバーに推奨されており、保険料が安くなることもあるようです。意外と知られていないサポカーについて紹介していきます。

そもそもサポカーとは? 保険料を抑える補助金も?

 最近、クルマのCMなどで耳にする機会の多い「サポカー」とは、国が定めた機能を有するクルマのことです。では、サポカーにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

後付けのペダル踏み間違い急発進抑制装置搭載車も補助金の対象となる
後付けのペダル踏み間違い急発進抑制装置搭載車も補助金の対象となる

 サポカーの正式名称は「セーフティーサポートカー」と呼ばれ、先進の安全技術である「衝突被害軽減ブレーキ」や「ペダル踏み間違い時加速抑制装置等」が搭載されているクルマが対象となります。

 経済産業省が主体となり、各自動車メーカー協力のもと官民一体となって取り組んでおり、将来的にはすべてのクルマがサポカーとなることが期待されています。

 サポカーはすべてのドライバーに推奨の「サポカー」と、高齢者ドライバーに推奨の「サポカーS」のふたつに分けられます。

「サポカー」は、衝突被害軽減ブレーキを搭載したクルマが対象です。フロント部分に取り付けられているカメラやレーダーによって、前方のクルマや歩行者を検知し、衝突の可能性が出た場合にはアラームにより警告、衝突の可能性が高いと判断した場合には自動でブレーキがかかり、強制的に停止する仕組みとなっています。

 一方「サポカーS」は、高齢者に推奨されているもので、通常のサポカーに「ペダルの踏み間違い時加速抑制装置など」が加えられたクルマが対象です。

 2021年11月より衝突被害軽減ブレーキの義務化が実施される予定ですが、該当となる装備はサポカーS同様に「衝突被害軽減ブレーキ」と「ペダル踏み間違い急発進等抑制装置」となります。

 サポカーのメリットには、安全性の向上が挙げられます。警察庁によると、2019年上半期(1月から6月)において、75歳未満のドライバーによる死亡事故の人的要因のうち、約27%が漫然運転などの「内在的前方不注意」、約26%が「安全不確認」、約20%が脇見等の「外在的前方不注意」となっており、技術的な要因よりもスマホやナビの使用やスピードの出しすぎによって引き起こされる事故が多いようです。

 一方で、75歳以上のドライバーでは、約34%がハンドル操作のミスやブレーキとアクセルの踏み間違いなどの「操作不適」が占めており、75歳未満の2倍近い数字となっています。

 通常のサポカーでは衝突被害軽減ブレーキ、さらに高齢者に向けてはペダル踏み間違いをサポートする機能と、データに基づいた装備が推奨されているのです。

 反対にデメリットは、装備の分だけクルマの価格が高くなってしまうことです。例えば、トヨタ「ヤリス」では、トヨタの予防安全装備「Toyota Safety Sense」が非搭載の「X Bパッケージ(ガソリン車)」と、搭載グレードでもっとも価格の低い「X(ガソリン車)」では、約6万円の差があります。

 ほかの装備はほとんど共通しているため、6万円近くが安全装備の価格です。

【画像】サポカー対応車ってどんな車種?(8枚)

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