トヨタ「アクア」消滅危機!? 強敵「ヤリス」との同士討ちにも勝てるのか?
トヨタ「アクア」は2011年12月の登場後、現在は発売9年目を迎えているハイブリッド専用のコンパクトカーです。2019年も人気を維持したものの、さすがにモデル末期となり、そのうえ同門であるトヨタが最新型のコンパクトカー「ヤリス」を2020年2月に発売したことから、ラインナップ内の立ち位置が危うくなっているように見えます。アクアは果たして2020年もラインナップに残ることができるのでしょうか。
人気はいつまで続く? トヨタ「アクア」9年目でどうなる?
トヨタ「アクア」は発売から丸8年が経過し、9年目を迎えているハイブリッド専用のコンパクトカーです。これまでに2度のマイナーチェンジを受けて商品力が強化されてきたものの、クルマのモデルチェンジ周期が5年から7年といわれるなか、いよいよモデル末期となっています。
そんななか、2020年2月10日にトヨタから新型コンパクトカー「ヤリス」が発売されました。ほぼ同じカテゴリーの新型車が登場したいま、アクアの立ち位置はどのようになっているのでしょうか。
新型ヤリスは、フルモデルチェンジを機に日本名「ヴィッツ」から車名が改められ、海外名の「ヤリス」として登場したモデルです。
搭載されるパワートレインは1.5リッターガソリンエンジン+モーターのハイブリッドシステムと1.5リッターガソリンエンジン、そして1リッターガソリンエンジンの3種類で、そのうち1.5リッターエンジンは新開発されたものが採用されています。
新型ヤリスのハイブリッド仕様のシステム最高出力は116馬力と、アクアのハイブリッドシステム(システム最高出力100馬力)よりもパワフルです。
さらにハイブリッド仕様の燃費はWLTCモードで36.0km/L(HYBRID Xグレード)と、世界トップレベルの燃費性能を実現しました。
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最新のコンパクトカーとして高い性能を誇る新型ヤリスに対して、2011年12月に発売されたアクアはどのような特徴があるのでしょうか。
新型ヤリスとアクアのボディサイズを比較すると、新型ヤリスが全長3940mm×全幅1695mm×全高1500mm、アクアが全長4050mm×全幅1695mm×全高1455mmとなります。
アクアは全長が110mm長く、全高は45mm低いため伸びやかな寸法となっていることがわかります。
アクアはこれまで販売実績が好調で、日本自動車販売協会連合会が発表する登録車販売台数ランキングにおいて、モデル末期の2019年も総合5位を記録しています。
しかし2020年1月単月の販売台数ランキングでは総合8位となるなど、新型ヤリス登場前の買い控えが起きている兆候も感じられます。
トヨタの販売店スタッフはアクアについて次のようにコメントします。
「多くのラインナップを持つトヨタブランドのなかで、ヤリスとともにアクアはエントリーモデルに位置しています。
現在、ヤリスはネッツ店(東京では全店)のみで扱っていますが、2020年5月以降は全店舗で扱うことになっているので、これによって販売店での『アクアとヤリス』の比較検討が起きることは必至です。
後席の広さとしてはアクアの方が上だと思いますが、全体的なスペックでは当然ヤリスが上なので、アクアのユーザーはヤリスに移るのではないかと思っています」
しかし、トヨタは新型ヤリスの登場まであと数か月に迫った2019年10月4日に、アクアの特別仕様車「グランパー」を発売しています。
アクア グランパーはドアミラーカバー、アウトサイドドアハンドル、ホイールキャップなどにブラックカラーの加飾を施した仕様で、アウトドアレジャーにも似合う外観となっています。
これにより、既に設定されているSUVテイストの上級グレード「クロスオーバー」とともに、SUV風の外観を好むユーザーの需要に応えるグレード体系を確立しました。現状、新型ヤリスにはSUV風の外観を持つグレードは存在しません。
また、アクアの車両価格(消費税込、以下同様)は181万8300円からとなっている一方、新型ヤリスのハイブリッド仕様は199万8000円からと、ハイブリッド仕様のエントリーモデル同士ではアクアの方が割安です。
そのため、しばらくの間は新型ヤリスとアクアは共存し続けるものと見られます。
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