なぜ「開かずの踏切」は解消されない? 渋滞や事故が多発する踏切の実態とは
ピーク時には1時間のうち40分以上遮断機が下りている「開かずの踏切」は、渋滞や事故の原因になるため、国土交通省ではこうした踏切を「改良すべき踏切道」として指定し、鉄道会社や自治体に改良を義務付けています。しかし、実際にはなかなか改善されていないのですが、それはなぜなのでしょうか。
1時間のうち40分以上開かない!?「開かずの踏切」の実態とは
クルマを運転していてもっともストレスが溜まるのは、渋滞にハマったときではないでしょうか。交通渋滞にはさまざまな原因が考えられますが、そのうちのひとつとしてあげられるのが踏切です。
踏切用の信号があればそれに従いますが、信号がない場合は一時停止して安全確認をすることが義務付けられているため、どうしても交通の流れが悪くなってしまいます。
さらに、列車の通過のために遮断機が降りてしまうと、完全に交通の流れが止まってしまい、交通量の多い道路にある踏切では列車が1本通過するだけでも、ちょっとした渋滞が発生してしまいます。
ただでさえ渋滞の原因になりやすい踏切ですが、とくに酷いのが「開かずの踏切」と呼ばれる、開いている時間が極端に短い踏切です。
なかなか開かない踏切は日本各地にありますが、国土交通省が定義する開かずの踏切とは、ピーク時の遮断時間が1時間あたり40分以上になる踏切のことを指します。
開かずの踏切の問題点は、激しい渋滞と事故の2点だといわれています。
鉄道のダイヤでピーク時となるのは、朝夕の通勤ラッシュアワーがほとんどです。その時間帯は道路の交通量も多いため、開かない踏切を起点に常に長い渋滞が続くことになります。
また、踏切遮断で足止めされたクルマや歩行者の無理な横断が、重大な事故に繋がる可能性も指摘されています。
実際、開かずの踏切として有名な東武伊勢崎線竹ノ塚駅南側の踏切では、2005年に歩行者と自転車、2015年には軽自動車、そして2006年にも歩行者が列車と接触する事故が起こっています。
国土交通省はこうした状況を鑑みて、2007年に「緊急に対策の検討が必要な踏切」として1960か所の踏切を抽出・公表しました。
さらには全国の鉄道事業者や道路管理者と連携し、踏切の現状を可視化した「踏切安全通行カルテ」を公表するなど、さまざまな対策を講じています。
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緊急に対策の検討が必要な踏切とは、開かずの踏切だけでなく、渋滞や歩行者の滞留が多く発生しているボトルネック踏切や歩道が狭い踏切、通学路要対策踏切、事故多発踏切も含めた5種の踏切を指します。
そして、抽出された踏切を中心に「改良すべき踏切道」が国土交通省により指定され、鉄道会社や自治体は改良することが義務付けられます。
開かずの踏切もそうだけど、交差点の信号が近いとタイミングによっては踏切に入れないし、そうこうするうちに踏み切るが閉まるからなぁ。