トヨタ「アルヴェル」は統合される!? 車種多数のトヨタの今後とは
自動車メーカーの販売網が変化する意図とは
なぜトヨタはいまになって、販売チャネルを統合することを決断したのでしょうか。販売チャネルの統合について、トヨタは次のように説明します。
「販売の体制を『チャネル軸』から『地域軸』へと見直し、より地域に密着したディーラーとすることです。たとえばお客様の家の隣にトヨタの販売店があっても、いまのチャネル体制ではそこで希望する車種が買えるとは限りません。
それでお客さまに不便をおかけすることもあると思います。それを解消できるのが、まずはお客さまのメリットとなると考えています」
しかし、トヨタの狙いは販売網の整理だけではありません。「クルマを所有しない」という社会に向けた変革でもあるのです。
クルマを取り巻く環境は今後、所有するものから必要な時だけ使うものへと移り変わっていくと予測されています。
そんな社会変化への対応として、トヨタ自身が定額制サービスやカーシェアリング事業を立ち上げていますが、その実施にあたっての準備が全販売店全車種併売化といえます。
前出のトヨタは次のようにも説明しています。
「販売店の見直しで、より地域に密着し、地域社会をより豊かにすることを目指します。具体的には、モビリティサービスを提供する前提として、お客様の求める商品やサービスをどの店舗でも提供できる体制を整えることが狙いです」
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近年、急速に普及しているカーシェアリングサービスは、利用拠点が多いほど利便性が高まります。また、トヨタは1台のクルマに乗るのではなく、好きなクルマや乗りたいクルマを自由に選ぶことのできる定額制サービス「KINTO(キント)」もおこなっています。
販売店が全車併売になれば、利用拠点が増え販売チャネルの枠を取り去ることで選べる車種の選択肢も広がるなど、ユーザーのメリットにつながるというわけです。
前出の東京トヨペットは、販売店の存在意義について次のように話します。
「最近、インターネットなどで物を購入できることが増えています。そんななか、販売店のメリットとしては実際にクルマを見て触れて試乗ができるということです。
また、『人と人のコミュニケーション』が可能な場でもあるため、単にクルマを購入するだけでなく、保険やクルマのメンテナンスといったアフターサービスなど総合的なカーライフをサポートする場所といえます」
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100年に一度という自動車業界の大変革の時代を迎え、トヨタは「クルマを作る会社からモビリティに関するあらゆるサービスを提供する会社へと変わる」と宣言しています。
販売ネットワークの変革は、単に販売現場の効率化ではなく、自動車業界を取り巻く変化の一環と捉えられます。
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