「こんな冬経験ない!」大暖冬で道路に雪ない北国 雪を仕事にする除雪業者は悲鳴

今年の冬は全国的に「大暖冬」ともいわれ、例年に比べて過ごしやすい状況が続いていますが、ある人々にとっては「大不幸」をもたらしているようです。例年、降雪量の多い地域といわれる場所では、どのような事態になっているのでしょうか。

暖冬で「過ごしにくい」人々が…北海道では50年以上で初めてとの声も?

 2019年から2020年の冬は全国的に「大暖冬」といわれ、例年に比べて過ごしやすい状況が続いています。なかでも降雪量の多い地域では、運転中の視界が良く道路状況も走りやすいとして喜ばれています。しかし、この大暖冬はある人々にとっては「大不幸」をもたらしているようです。

雪国では降っても降らなくてもさまざまな問題点があるようです
雪国では降っても降らなくてもさまざまな問題点があるようです

 気象庁によると、2019年12月以降、東・西日本を中心に気温が平年と比べてかなり高くなっており、平均気温では3月並の地域もあったようです。

 また、降雪量では多くの観測所で平年比「20%以下」を記録しており、驚異的に雪が降っていません。雪国に住む人々にとっては、除雪や排雪の頻度が下がっているため、生活しやすい環境となっているようです。札幌市内に住む、40代の男性会社員は以下のように話します。

「例年、12月から2月は除雪を業者さんにお願いしていました。しかし、今年は業者はもちろん自分たちでさえ除雪する機会は少なく、出費が抑えられています。少々浮いたお金で沖縄へ家族旅行に行ってきましたが、沖縄は桜が咲いていました」

 民間の除雪業者に依頼した場合、排雪まで含めると1回1万円から2万円ほどの金額になるため、その分お金が残るのは嬉しいポイントです。ちなみに、沖縄県那覇市では2020年1月6日、例年より12日早く桜の開花が観測されたといいます。

 また、生活するうえでかかせない交通においても、暖冬は好影響を与えているようです。札幌近郊に住む、20代の女性サービス業スタッフは以下のように話します。

「路面の状況が良いのはもちろん、吹雪で前が見えないというトラブルが無いのが嬉しいです。運転に自信がないので、毎年この季節は家族に送迎を頼んでいましたが、今年は今のところ毎日自分で運転しています」

※ ※ ※

 しかし、これだけメリットの多い暖冬も、ある人々にとっては生活を脅かす大問題となっています。その人々とは、除雪業者やスキー場などの「雪を仕事にしている」人々です。北海道内の民間除雪会社の担当者は以下のように話します。

「例年と比べて、仕事の数は10分の1ほどにまで落ち込んでいます。定期契約のお客さまから料金を頂いているので会社は何とかなっていますが、個別依頼は最長1週間途切れたこともあります。20年以上この仕事をしていて初めてのことなので、対処方法は模索中です」

 単純に売上が減っただけでなく、どうしていいかわからないという危機的状況のようです。また、いくつかの民間除雪会社に問い合わせましたが、長期休業している会社もありました。冬本番に除雪会社が休業という事実が、暖冬の恐ろしさを物語っています。

 では、行政から委託を受けている除雪業者はどうでしょうか。札幌市役所の担当者は以下のように話します。

「雪の量は激減しています。2020年1月27日までで、累計降雪量は例年より1m、道路などの積雪量は平年65cmのところ28cmと、半分以下の数字となっています。

 市が委託している業者の出動回数は、例年15回程度のところ現在まででわずか5回です。また、これは幹線道路においてであり、住宅街などの生活道路では平年と比べ5分の1ほどになっています。

 さらに、例年ですと11月頃から頻繁になる、全除雪車が出動する『フル出動』の回数は、この冬わずか1回だけです。なお、市の場合は冬本番前に見込み発注しているので、実際の出動回数が少なくとも、ある程度の料金はお支払いしています」

 市から委託された業者であれば、売上減少の打撃はある程度緩和されているようです。

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 除雪業者とともに暖冬に嘆くのはスキー場です。雪をメインとしたレジャーですので、雪が無ければ商品が無いことに等しいといえ、青森県のスキー場スタッフは以下のように話します。

「雪がなさ過ぎて営業すらできない日もありますから、売上は例年と比べて5分の1以下です。この時期は短期アルバイトを大量採用して人員拡大しますが、今年は既にいるアルバイトスタッフさえシフトに入れない状態です。売上が無いので、なんとか経費を削減するしかない状況です」

 プラスは見込めないため少しでもマイナスを減らす、経営の最終手段とも思える状況まで追い込まれてしまっています。

 なお、前述の札幌市役所担当者は以下のようにも話します。

「ありえない、という状況です。私は北海道産まれ北海道育ちですが、50年以上の人生で初めてのことです」

 50年ぶりではなく「50年以上で初めて」という点が、今回の暖冬の重大さを物語っています。なお気象庁によると、この記録的な暖冬は2月以降も続くとされており、降雪量は例年並みかそれ以下とのことです。良くても平均並ですから、ここまでの損失を補うことは難しいでしょう。

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1件のコメント

  1. 降水量は変わらず雪にならず、台風発生に上陸数は変わらずとも強烈な台風と言う流れだろ
    人類自ら放った矢がみずからを刺す時が来ただけの話だな、自分の埋めた地雷で逝くのは自業自得だからな。

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