なぜ必要?「シフトロック解除ボタン」 アクアにあってプリウスはない!? 設置の意味とは
一般的なAT車のシフトレバー付近には、「SHIFT LOCK(シフトロック)」と表記されたボタンや差し込み口があります。見かけることは多くても、実際に使用する機会はあまりないボタンなうえ、車種によっては非搭載な場合もありますが、シフトロックボタンには、どのようなものなのでしょうか。
AT車で見かける「SHIFT LOCK」ってナニ?
一般的にAT車のシフトレバー付近には、「SHIFT LOCK(シフトロック)」と書かれたボタンや差し込み口が設置されています。見かけることは多くても、実際に使用する機会はあまりないボタンなうえ、車種によっては非搭載な場合もありますが、シフトロックボタンとは、どのようなものなのでしょうか。
シフトロックとは、シフトレバーをパーキングポジションに入れた際、シフトのポジションをロックすることで、誤発進などを防止するための安全装置です。
このシフトロックは「エンジンが始動している」「キーがACCになっている」「ブレーキを踏んでいる」などの状況でしか解除することができません。
このふたつの条件があることによって、意図せずシフトレバーに触れてしまうといった誤操作や、子どもが間違ってシフトレバーを動かしてしまうことを防止することができます。
ちなみに、シフトロックはAT車のみで、MT車には装着されていません。その理由は、AT車には「クリープ現象」と呼ばれる、ポジションをD(ドライブ)やR(リバース)に入れた際にアクセルを踏んでいなくても、一定の速度で走り出すといったAT車特有の現象があるためです。
AT車にシフトロック装置が付いていないとしたら、誤ってシフトレバーを動かしてしまった際に勝手に走り出してしまうことが考えられます。このような事故やトラブルを起こさないためにはシフトロックはとても重要な安全装置といえます。
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では、シフトレバー付近にあるSHIFT LOCKと表記されたボタンには、どのような役目があるのでしょうか。
このボタンは、シフトをロックするためのボタンに思えますが、実際には「シフトのロックを解除」するためのボタンとなります。
シフトロック解除が必要となる場面は、故障やシフトトラブル時など、「エンジンがかからないなかでクルマを動かしたい」状況です。
もし、道路上でバッテリー上がりやガス欠でクルマが止まってしまった場合、安全な場所に移動するために、シフトをN(ニュートラル)に入れてクルマを移動可能な状態にする必要があります。
MT車であれば、エンジン停止時にもシフトチェンジが可能ですが、AT車はエンジンがかかっていなければシフトをNに入れることができないため、解除ボタンが必要になるのです。
しかし、同じメーカーでも車種によってはシフトロックの解除ボタンを搭載していないクルマもあります。たとえば、トヨタの人気車種「アクア」にはシフトロックボタンはありますが、「プリウス」には非搭載です。なぜ、このような違いがあるのでしょうか。
搭載が異なる理由について、トヨタの販売店スタッフは、以下のように話します。
「アクアなどのシフトは機械式のため、シフトロックを解除すればシフトを動かせます。ですが、プリウスはシフトを電気式で制御しているため、エンジンを起動できなければシフトを動かせません。
シフトロックの解除ができない車種でエンジンが止まってしまった場合、基本的にはロードサービスに連絡し、救援を待つしか方法はありません。
なお、最近インターネット上などで整備モードへ移行する方法が紹介されていますが、絶対にやめてください。シフトやエンジンに重大な故障を招いてしまいます」
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