チェーン規制施行から約1年 正しい規制内容は認知されたのか
国土交通省が2018年11月から施行した「チェーン規制」。規制化から2度目のシーズンとなりますが、どのような条件で規制が実施され、どのようなクルマが通行可能なのでしょうか。
チェーン装着による「過信」は禁物
国土交通省と警察庁は、「大雪時における道路交の確保を図る」ことを目的としたさまざま取り組みを検討し、そのひとつとして「タイヤチェーンを取り付けていない車両通行止め」の規制標識(チェーン規制)を新設すると、2018年11月に発表しました。
チェーン規制が施行されてから約1年経った現在ですが、実際にはどのような規制内容なのでしょうか。
2017年に全国各地で大雪の影響よりスタッドレスタイヤだけでは、対処できず多くのクルマが立ち往生するという問題が多発しました。
公表当時、各メディアは「チェーン義務化」と報道をした影響により、ユーザーの間では誤った情報が拡散しました。実際の規制内容について、国土交通省の担当者は次のように説明しています。
「チェーン規制に関する発表は、タイヤチェーンを装着していない車両が通ってはいけない区間を、よりわかりやすくするための新しい道路標識に関するものです。
国土交通省としては、『タイヤチェーン装着の義務化』という表現はしておりません。ただし、『チェーン規制区間』を通行する場合には、タイヤチェーンの装着は必須となります」
※ ※ ※
具体的なチェーン規制の内容は、大雪特別警報や大雪に対する緊急発表がおこなわれるような異例の降雪があるときに実施されます。
大雪時に通行止めを実施する場合でもチェーン装着を条件として、積雪による通行止め時間を短くすることが目的です。
実施区間は、急な山道など、過去に雪による立ち往生や通行止めが起こった場所のなかで、タイヤチェーンを着脱できる場所や通行止めが解除されるまで待機できる場所がある区間で実施。チェーン規制時には、規制区間の手前でタイヤチェーン装着状況の確認をおこなうといいます。
実際に一般国道で、規制対象となっている山形県の月山道路(112号線)を利用するユーザーは、今回のチェーン規制について、次のように話します。
「いままで、積雪量が多い時期には、通行止めとなっていた112号線が、今回の『チェーン規制』によってチェーンを巻けば通行できるという点では良いことだと思います」
また、一般国道の山中湖・須走区間(138号線)や高速道路の須玉IC・長坂IC区間を実際に利用するユーザーは、次のように話します。
「2017年の大雪時には、スタッドレスタイヤでも進むことができず立ち往生しているクルマが多くあり、それを避けるために地元住民が普段使うような道路まで渋滞していました。チェーン規制後には、そのような渋滞トラブルがなくなると思うので、規制化されてよかったと思います」
※ ※ ※
チェーンを履いたことによる過信やチェーン規制というイメージによって、人は安易な考えをしがちです。
しかし、どんな内容にも明確な理由や方法があるということを肝に銘じておくことが、安全運転につながるといえます。