法整備から20年のチャイルドシート 近年増加する中古品は購入しても問題ない?
小さい子どもがクルマに乗るときの必需品であるチャイルドシートが、リサイクルショップやネットオークションなどでリユース品として流通することが増えています。古いチャイルドシートを使用することに問題はないのでしょうか。
「履歴」が分からないチャイルドシートは安全性に不安あり?
チャイルドシートの使用が法制化されて、2020年4月で20年になります。近年は、リサイクルショップやネットオークションなどを経由して、チャイルドシートがセカンドユースされる例も増えていますが、古いチャイルドシートを使用することは問題ないのでしょうか。
国の安全基準への適合が確認されたチャイルドシートには、「E43」や「自」のマークがついており、このマークがついたチャイルドシートを使うよう推奨されています。
日本における現行(2012年7月以降)の安全基準は、国連(ヨーロッパ)の安全基準「UN(ECE)R44」または「R129」に基づいたもので、それ以前は、「自」マークがついていました。
チャイルドシートメーカーは、2012年7月以降、R44またはR129に適合した製品でなければ新規に出荷、販売することはできませんが、ユーザーが使う分には古い基準でも問題ありません。
近い将来、新基準のR129に完全移行したとしても、ECE R44に適合するチャイルドシートをそのまま使用することは問題ありません。
しかし、使用に法的な問題はなくても、リサイクルショップやネットオークションなどで販売されている「リユース品」や「中古チャイルドシート」においては、その安全性が完全に証明されているわけではありません。これはどういうことなのでしょうか。
古いチャイルドシートの安全性について、国内・海外の大手4メーカーに聞いてみました。回答してくれたのはコンビ、タカタ(ジョイソン・セーフティ・システム)、エールベベ(カーメイト)、マキシコシの4ブランドを扱うメーカーです。4社の回答を以下にまとめました。
「最近は、個人売買などでリユース品を使うユーザーがとても増えています。新品でチャイルドシートを購入し、上のお子さまや近くに住む親せきのお子さまが使っていたものをおさがりとして譲り受けたものであれば、ある程度履歴が分かっているため問題ないと考えられます。
しかし、前のユーザーがどんな使い方をしてきたのか、いつ頃、どのような方法で入手したか、落としたり、事故で衝撃を受けたりしたことはなかったか、リコール対象品なら正式な改善処置を受けているかなど、チャイルドシートの履歴が明らかではない場合は、安全のため使用を控えたほうが良いでしょう」
この考え方は日本だけではなく、日本が安全基準を採用している欧州でも啓発が進んでいます。
マキシコシ&ブリタックスレーマーの日本正規輸入総代理店GMPインターナショナルの担当者は、次のようにいいます。
「チャイルドシートは事故の衝撃からお子さまを守るための安全装置です。ベビーカーなどとは違い、衝撃を受けた際に、本来備わる安全性能をどれだけ完全に発揮できるかが重要です。
古いチャイルドシートは外見上はキレイに見えても、経年劣化が進んでいる場合があります。外側のシェルは問題なくても、なかの発泡スチロールが割れていることもあります」
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