トヨタ「アルヴェル&ノアヴォク」なぜ人気? 国内ミニバン市場を独占する強みとは

トヨタには多くのミニバンモデルがラインナップされています。さらに、登録車販売台数ランキングにおいても、どのミニバンも安定した人気を誇っています。なぜ、トヨタのミニバンはこれほどまで人気なのでしょうか。

ミニバン王国トヨタの強みとは

 日本では1990年代半ばからミニバンといわれる多人数乗車を特徴としたモデルが登場しています。現在では、軽自動車やコンパクトカー、SUVなどとともに定番の売れ筋ジャンルです。

 そのなかでも、トヨタには多くのミニバンモデルがラインナップされています。なぜ、他社と比べてトヨタにはミニバンが多いのでしょうか。

ミニバン王国トヨタを支えるノア(左)、シエンタ(中)、アルファード(右)
ミニバン王国トヨタを支えるノア(左)、シエンタ(中)、アルファード(右)

 2019年12月時点で、国産ミニバンは各自動車メーカーがホームページで公開しているものでは、全17車種(OEM車含む)となっています。内訳は、トヨタ8車種、日産4車種、ホンダ3車種、三菱1車種、スズキ1車種です。

 なかでもトヨタは、コンパクトサイズの「シエンタ(180万9500円)」から高級ミニバン「アルファード/ヴェルファイア(352万円)」、そして送迎需要向けの「グランエース(620万円)」と幅広い価格帯やユーザーのニーズに応えるラインナップです。

 次点のミニバンラインナップを誇る日産は、電動パワートレインが好調な「セレナ(257万6200円)」と、元祖高級ミニバン「エルグランド(338万300円)」を設定する以外に、「キャラバン」や「NV200 バネット」といった商用ベースのワゴンを設定しています。

 また、ホンダではコンパクトサイズの「フリード(199万7600円)」から「ステップワゴン(250万1400円)」、ミニバンブームの火付け役ともいえる「オデッセイ(303万5186円)」と、コンパクトサイズからラージサイズ(高級ミニバン)をラインナップ。

 これらのように、各社価格帯やユーザーのニーズを分けたミニバンを販売していますが、なぜトヨタだけ8車種もミニバンを設定しているのでしょうか。

 トヨタ車のラインナップについて、販売店スタッフは次のように話します。

「2019年12月現在、トヨタは東京などの一部の地域を除いて、高級車と商用車を扱う『トヨタ店』、年配の人向けのセダンを中心としてきた『トヨペット店』、そして小さめの車両が中心の『カローラ店』、若者向けの車種を揃えた『ネッツ店』と4つの販売チャンネルを持っています。

 そのため、ミニバンに限らず各チャネルによって客層が異なっているために扱う車種も異なり、複数チャネルでの併売や、『プリウス』や『アクア』など、全チャネルで取り扱う車種も増えていますが、特定のチャネルでしか扱っていない車種も存在します。

 たとえば、ミドルサイズミニバンの『ノア/ヴォクシー/エスクァイア』は兄弟車です。ですが、若いファミリーをターゲットにしたノアとヴォクシーはカローラ店とネッツ店が扱い、40代以上をターゲットにしたエスクァイアは、トヨタ店とトヨペット店という棲み分けがされています。

 そのため、トヨタブランドのなかで自分の好みにあるモデルを選ぶことが可能なことが、結果として総体的にトヨタ車が人気といわれる要因のひとつかもしれません」

※ ※ ※

 かつて、日産も販売店が分かれていたときには、「プレサージュ」と「バサラ」といった兄弟車が設定されていました。

 ホンダやマツダ、三菱なども複数の販売チャネルを持っていましたが、現在では統合化しており、それによって販売車種も整理されています。

 そんななか、トヨタも2020年5月頃を目処にチャネル制は維持しつつも、全店舗で全車種を扱えるようにするとしており、東京地区では2019年4月1日から一足先に統合されました。

 また、トヨタは2020年代の半ばには現在販売している車種を半減させる方向で調整しているといいます。 

 そのため、今後はノア/ヴォクシー/エスクァイアのような兄弟車が統一される可能性もあるといえます。

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