【自転車は無法状態!?】車は罰則強化でも自転車のながら運転、無灯火はどうなる?
クルマやバイクに関する法律や罰則内容は、時代の変化に合わせて年々厳罰化されています。2019年12月1日にも通称「ながら運転」に関する法律や罰則が改正されるとともに、取り締まりも強化されました。自転車に関しても厳しいルールは存在しますが、クルマやバイクほど厳しい取り締まりはおこなわれていないようです。10年前と比べれば検挙件数は約10倍にはなっているものの、いまだに自転車は無法状態といえますが、取り締まりの実態はどうなっているのでしょうか。
自転車でも検挙件数が増加、10年間で約10倍に!
2019年12月1日、運転中のスマートフォン使用や保持に関する通称「ながら運転」の罰則が強化されました。また、数年前には飲酒運転に関する法律や罰則も改正されています。
しかし、自転車に関する法律や罰則は強化されつつありますが、クルマやバイクほど取り締まりが強化されている様子はありません。無法状態となっている自転車の罰則や取り締まりは、どうなっているのでしょうか。
自転車に乗る際、道路交通法を認識しながら運転している人はどれくらいいるでしょうか。「スマホを操作しながら運転」「イヤホンを装着しながら運転」「歩道を走行」「無灯火での走行」、これらはすべて道路交通法違反となる危険な行為です。
自転車は運転免許が必要ないため誰でも乗れてしまう反面、法律を知らずに乗り続けている人が意外に多いのが現状のようです。
日々、道路上では交通安全のためにさまざまな取り締まりがおこなわれています。内閣府が発表する交通安全白書によると、2018年中におけるクルマやバイクなどの道路交通法違反の取締り件数は598万5802件となっており、1日に約1万6000件もの取り締まりがおこなわれていることになります。
これらのように、クルマやバイクにおいての取締りは一般的となっており、道路上でも安全を心がけるドライバーも増えましたが、そのほかの車両ではどうでしょうか。
とくに、利用者の多い自転車は軽車両にあたるため道路交通法が適用されますが、悪質で危険な運転を見かけることも多いです。
警察庁によると、2018年における自転車の取り締まり件数は、検挙せず注意喚起の書面を発行する「指導警告票」の交付件数が160万6029件、検挙件数が1万7568件となっています。
検挙数は2009年の1616件に対し、約10倍に増加しており、取り締まりが強化されているようです。では、どのような行為に対し取り締まりがおこなわれているのでしょうか。
まず、「ながら運転」についてです。じつは、自転車もクルマなどと同様にながら運転は禁止となっています。
道路交通法第71条の「道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項」があたるとされ、違反した場合には「5万円以下」の罰金が科せられることになります。
また、ながら運転が事故に繋がった場合は、重い罰則が適用され、2017年には自転車による死亡事故が起こってしまいました。
事件の内容は、当時20歳の女子大生が電動アシスト自転車に乗りながら両耳にイヤホン、右手には飲み物の容器、左手にはスマホを持ったまま走行し、歩行中の77歳の女性と衝突し死亡させてしまったというものです。
聴覚や視覚を失ったような状態での非常に危険な運転のため、重過失致死罪で在宅起訴とし、禁固2年の求刑がされました。
自転車の場合、よく見かける違反としては「無灯火」での走行も挙げられます。公道を走行する場合、ライトの装着は義務です。
ひと昔前であれば、ダイナモライトと呼ばれるタイヤの側面に擦りつけるタイプのライトが主流でしたが、現在は自動点灯するLEDライトが普及してきています。
このような自動で点灯するライトであれば、夜間やトンネル内などで暗さを感知したと同時に点灯してくれますが、問題なのは手動で点灯するライトです。
道路交通法第52条には「車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあっても、同様とする」と定められており、違反者には「5万円以下の罰金」が科せられます。
自転車のライトは前方を照らすだけでなく、周囲に自分の存在を知らせるための重要な装置です。また、万が一事故のあった場合には、過失割合にも影響する可能性もあります。あらゆる意味で自分を守るため、無灯火での走行は避けましょう。
実際に取り締まりをおこなう警察官は、自転車の取締りについて、以下のように話します。
「自転車でも、スマホなどの『ながら運転』や、見てわかるほどの『飲酒運転』など、明らかに危険だと判断した場合は、注意もしくは取り締まりをおこなうようにしています。
数年前から自転車の取り締まりは強化していますが、すべてを取り締まることは難しいのが現状です。乗る人全員が『たかが自転車』と捉えず、クルマの運転と同程度の注意を持つのが大切です」
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ちなみに、自転車での飲酒運転は「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が適用される可能性があり、実際に現行犯逮捕された事例もあります。
運転免許証の停止となる可能性があるほか、大変危険な行為ですので、自転車も「飲んだら乗るな、飲むなら乗るな」の心がけが必要です。
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