ワクワクが止まらない!? 注目の歴代「日本カー・オブ・ザ・イヤー」受賞車5選

その年を代表するクルマを選ぶ「日本カー・オブ・ザ・イヤー」。毎年、どんなクルマが選ばれるのか楽しみである一方で、歴代の受賞車はいずれも記憶に残るクルマばかり。そのなかでも話題になったクルマを5車種ピックアップして紹介します。

記憶に残る日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞車

 1980年に創設された「日本カー・オブ・ザ・イヤー」は、日本のモータリゼーションの発展と消費者に最新モデルと最新技術の周知を目的として、その年を代表するクルマにタイトルが与えられる賞です。

 その名前のとおり、日本を代表するクルマの賞典として、海外からも注目されています。

 そこで、現在までの日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞車のなかから記憶に残る名車5台をピックアップして紹介します。

●第1回受賞車 マツダ「ファミリア」

若者に絶大な人気を誇った5代目「ファミリア」
若者に絶大な人気を誇った5代目「ファミリア」

 記念すべき第1回日本カー・オブ・ザ・イヤー1980-1981に輝いたのは、当時「赤いファミリア」といわれた5代目マツダ「ファミリア 3ドアハッチバック」でした。

 ノミネート車のなかに「ファミリア 4ドアサルーン」も含まれていることからも、当時、いかにファミリアの評価が高かったことが伺えます。

 マツダのエントリーカーであるファミリアは、従来のFR駆動から1980年のモデルチェンジで合理的なFFにあらためられ、1.5リッター以下のハッチバックとしては広い室内空間を実現していました。

 トップグレードの「XG」はフロントシートのヘッドレストを外し、シートバックを倒すことでフラットシート化が可能。サイド部分が滑らかにデザインされたリアの「ラウンジソファーシート」と合わせ、ドライブ先での休憩時にリラックスできました。

 また、スライディングサンルーフも標準装備され、1980年代に各社がサンルーフ装着車を設定することになる先駆けでした。

 FF化によって新開発された「SSサスペンション」は路面追従性が高く、スポーツドライブが不得意とされていたFF車の常識を打ち破り「まるで欧州車のようだ」とまでいわれました。

 直線基調のボディデザインも好評で、ファミリアは大ヒットを記録。国内のサーフィンブームと併せ、サンライズレッドやレマンブルーのファミリアに、サーフィンはしないのにルーフキャリアだけ装着している「陸(おか)サーファー」たちが、週末には街に溢れたほどです。

 海外でも人気車種となり、欧州では「mazda 323」、アメリカでは「mazda GLC」の名前で販売されていました。

●第10回受賞車 トヨタ「セルシオ」

高級車の世界を変えた初代「セルシオ」
高級車の世界を変えた初代「セルシオ」

 第10回1989-1990の受賞車は、初代トヨタ「セルシオ」でした。トヨタが北米市場をターゲットとした高級車ブランド「レクサス」の最上級車種としても発売され、メルセデス・ベンツやBMWを超える快適性と高い品質で、セルシオは国内外で人気車種となりました。

 セルシオが登場した1989年の日本はバブル経済絶頂期で、日産は「シーマ」の大ヒットに続き、「インフィニティ Q45」を発売するなど、高額なセダンが続々と登場しました。

 セルシオは、日本を代表する高級セダンとして親しまれてきた「クラウン」と「センチュリー」の間を埋める車種として発売されました。

 搭載されたエンジンは4リッターV型8気筒DOHCで、ターボでパワーを絞り出すシーマとは異なり、静粛性と高級感のあるドライバビリティを実現するため自然吸気でした。

 サスペンションにはダンパーの減衰力が路面状況に応じて瞬時に切り替わる、電子制御サスペンション「ピエゾTEMS」装着グレードも用意され、しなやかな乗り心地とスタビリティを兼ね備え、日本のハイグレードオーナーカー市場を拡大しました。

 内装も本木目パネル、本革シートも用意されるなどゴージャスな雰囲気で、いまとなっては珍しくはないですが、国産車初の自発光式メーターも採用されていました。

●第18回受賞車 トヨタ「プリウス」

日本が世界に誇れるハイブリッド車の初代「プリウス」
日本が世界に誇れるハイブリッド車の初代「プリウス」

 第18回1997-1998の受賞車は、初代トヨタ「プリウス」が獲得。「21世紀に間に合いました」のキャッチコピーのもと、世界初の量産ハイブリッド車としてデビューしました。

 これだけでも受賞は当然のことですが、5ナンバー枠の小型4ドアセダンながら全高を高くすることで車内空間を広くした点や、省燃費のために空気抵抗を低減させたボディデザイン、センターメーターレイアウトなども受賞のポイントでした。

 THS(Toyota Hybrid System)と呼ばれるパワーユニットは、1.5リッター直列4気筒ミラーサイクルエンジンにモーターを組み合わせ、ふたつの動力源を使い分ける方式で、発進時やごく低速の場合はモーターのみで走行し、一般走行ではエンジンとモーターの両方で走行、減速時には回生ブレーキにより発電をおこなう仕組みです。

 10・15モード燃費で28.0km/Lと当時としては驚異的な数値を実現し、これは同クラスのクルマの約2倍となる燃費でした。

 なお、初代プリウスは、日本カー・オブ・ザ・イヤー20周年を記念した、歴代の受賞車19台なかからもっとも印象に残った1台を選ぶ「ベスト・ダブル・ディケード」にも選ばれています。

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