フォード「マスタング」55年ぶり新車種で電気SUVに変身!? なぜ有名アメ車はクーペを捨てたのか
フォードは電気自動車の新型SUV「マスタング マッハE」を2019年11月17日に発表しました。マスタングといえば、アメリカンクーペの代表ですが、なぜマスタング マッハEはクーペスタイルを捨てて、かつEV(電気自動車)で発表されたのでしょうか。
マスタング55年ぶりの新車種はなぜ電動SUVになったのか?
「これがマスタングを名乗って、本当にいいのか」
フォードが2019年11月17日に発表した「マスタング マッハE」については、アメリカの自動車業界関係者の間でも、その存在に対して賛否両論があります。
マスタングといえばアメリカンクーペの代表格ですが、マスタング マッハEは、その面影を感じさせない5人乗りのSUVタイプのEV(電気自動車)として登場しました。いったい、マスタングに何が起きたのでしょうか。
マスタングは1964年に登場した歴史あるクーペで、男性だけではなく、女性ユーザーにも愛され、1960年代にはシボレー「カマロ」や、ダッジ「チャレンジャー」などとともに「ポニーカー」と呼ばれました。
マスタングのなかで、もっともスポーティなグレードが2代目モデルに設定された「マッハ1」です。筆者(桃田健史)は、日米で何度も1970年代初頭型のマッハ1を運転していますが、極端なロングノーズと大きなリアハッチのボディデザインにより、正直なところ周辺視野を確保することがかなり難しいクルマだと感じました。
それでもアメリカンV8(V型8気筒エンジン)のパワーとトルクは刺激的で、アメ車ならではの醍醐味を味わうことができます。
1974年に登場した3代目モデルになると、排気ガス規制やオイルショックの影響でマスタングはボディもエンジンも一気に小型化されていきます。その後、2005年に登場した5代目モデルでは「マスタングとしての原点回帰」として、1960年代を彷彿させるようなロングボディに生まれ変わりました。
また、フォード直系のチューニングブランドであるシェルビーによってハイパフォーマンスバージョンも復活しました。
そんなマスタングが2020年から大きく生まれ変わります。その筆頭として登場したのが、EVとなるマスタング マッハEです。外観デザインもパワートレインも、これまでのマスタングとは完全に別物です。
古くからのマスタングファンにとっては正直、受け入れがたいイメチェンかもしれません。ですが、フォードとしてはマスタング マッハEを通じて、マスタングの商品イメージを大転換させるつもりなのです。
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