レクサス初のEV「UX300e」世界初公開! 2021年前半の日本導入前に最速試乗!
電動化のメリットを活かしてレクサスが目指す走りを実現
一般的に、EVは無音で走行すると思われているものの、実際にはさまざまなノイズが聞こえるのですが、UX300eはインバーター音や風切音、ロードノイズなどを最小限に抑えています。これはベース車の静粛性の高さに加え、徹底したノイズクリーニングの効果だといいます。
ただし、ドライビングモードを「スポーツ」に切り替えると、ASC(アクティブサウンドコントロール)を用いてアクセル操作に合わせてインバーター音をより強調させたサウンドを奏でます。
足回りは、バッテリー搭載に合わせて剛性アップがおこなわれたボディに、重量増や前後重量配分変更に合わせた専用サスペンション、そしてベース車とは異なる非ランフラットタイヤを採用しています。なお、今回の試乗車のタイヤは、17インチのミシュラン・プライマシー3が装着されていました。
元々UXは足を硬めてスポーティにするのではなく、足を動かしながら正確にクルマを動かすといった、基本素性の良さを活かす「内に秘めたスポーティさ」が特徴でした。
EVモデルのUX300eは、その良さを継承しながらも、挙動変化はやや穏やかに感じました。ただ、前後重量配分の適正化や重心も下がったことで、ロール感が減ったうえに4つのタイヤをより効果的に使えている印象で、じつは意外とコーナリングマシンに仕上がっています。
乗り心地に関しては、重量増がいい方向に働いているのと非ランフラットタイヤの採用、より緻密になった加減速ピッチ制御も相まって、兄貴分の「NX」や「RX」はもちろん、「LS」「LC」も超えているのではないかと思ってしまうくらいの動的質感を備えているのには正直ビックリしました。
総じていうと、UX300eは単なる電動化モデルではなく、電動化のメリットを活かすことでレクサスが目指している「スッキリと奥深い走り」をより精緻に体現したモデルだと感じました。
「電動化でクルマは白モノ家電化する」という人もいますが、電動化でメーカーの色はよりハッキリ明確になるのではないかと筆者は考えています。
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UX300eは、中国で2020年春から先行発売されるのを皮切りに、欧州では2020年夏ごろ、そして日本では2021年前半の発売を予定しているそうです。
そうなると、UX300eの日本導入に合わせて、レクサスディーラーにも急速充電器や普通充電器の設置もおこなわれるでしょう。ちなみに生産は「レクサス専用工場」といわれるトヨタ自動車九州でおこなわれます。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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