聞こえる? HV・EVの接近音 自分好みのカスタマイズは可能なのか

接近音は自分好みにカスタム出来るのか?

 2017年の東京モーターショーにて、日産は車両接近通報音「カント」を発表しました。これは、接近音のコンセプトといえるもので、現在は2019年8月にマイナーチェンジした「セレナ e-POWER」に採用されています。

 カントについて、日産は次のように説明しています。

「カントは車両接近通報音のコンセプトとして発表しました。市街地走行における日産らしさを聴覚で感じられるように工夫し、歩行者だけでなく、道路周辺の住民、車両の乗員にも自然で聞きやすいものになるよう配慮され、各国の法規要件と照らし合わせたうえで、将来生産する電動車に、順次採用していく予定です。

 なお、電気自動車の『リーフ』は初代発売時から発進時で30km/hまで、減速時で25km/h以下になると車両通報接近音が鳴る仕組みで、音はe-POWER車の『ノート』、『セレナ』もすべて同じ音になっています」

接近音を発するスイッチ(左)や一時的にキャンセルできる機能が付いていた時期もあった
接近音を発するスイッチ(左)や一時的にキャンセルできる機能が付いていた時期もあった

 また、国土交通省によれば車両の接近音は、「ただ歩行者が気がつけばいい」というわけではないようです。接近音は「車両の走行状態を想起させる連続音」と定められています。

 そのなかで、不適当とされているのは「サイレン、チャイム、ベル及びメロディ音」、「警音器の音」、「鳴き声など動物や昆虫が発する音」、「波、風及び川の流れなどの自然現象の音」、「そのほか、常識的に車両から発せられることが想定できない音」です。

 ポイントとなるのは、「常識的に車両から発せられることが想定できない音」という部分です。好きなアーティストの楽曲を流したり、愛犬の鳴き声を接近音にするなどのカスタマイズは認められていません。

 加えて、速度に応じて音量または音程が自動で変化するなど、車両の動作が認識しやすいように工夫することも必要とされています。

 また、カー用品店などでは、そもそもカスタマイズの注文を受け付けていないようです。全国的な中古車販売店ガリバーを運営する、株式会社IDOMは以下のように話します。

「車両接近音は世界基準で周波数や音量が決まっているため、お客様からご要望があったとしても、車両接近音の変更はお受けしておりません」

※ ※ ※

 接近音はスピーカーから発せられているため物理的にはカスタマイズが可能ですが、多くのカー用品店などで受け付けていないほか、車検にも通りません。

 世界的な基準として明確な規定があるため、接近音のカスタマイズは不可能と考えた方が良いでしょう。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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