時代は燃費優先が当たり前? それでも燃費は二の次な国産車3選
速さを求めるには、燃費性能は捨てなきゃならない
●スバル「WRX STI EJ20 Final Edition」
スバルは、「WRX STI EJ20 Final Edition」と名付けられた特別仕様車を東京モーターショー2019で公開しました。1989年から長年にわたって主力エンジンであったEJ20型水平対向4気筒エンジンの生産がまもなく終了し、そのエンジンを搭載した最後のモデルです。
全長4595mm×全幅1795mm×全高1475mm、車重1490kgのボディに、308馬力を発揮するEJ20型エンジンを搭載し、JC08モード燃費は9.4km/Lと、現在一般的な2リッター4気筒のモデルとしては決して良くありません。
しかし、低重心の水平対向エンジンと伝統のシンメトリーなAWDを組み合わせたWRX STIの鋭い回頭性と圧倒的な運動性能が魅力の1台です。
加えて限定車はWRX STI Type Sをベースに、回転系パーツの重量公差・回転バランス公差を低減したバランスドエンジンを採用。EJ20型エンジンの特徴である高回転域まで一気に気持ち良く回るエンジンフィーリングに磨きをかけました。
EJ20型水平対向エンジンは、初代「レガシィ」を皮切りに幅広い車種に採用され、世界ラリー選手権(WRC)やニュルブルクリンク24時間レースをはじめとするモータースポーツでの活躍に大きく貢献してきたパワーユニットです。
いまとなっては型落ちのエンジンでもあるため、近年発達の著しい燃費向上技術についてはひと足遅れてしまっているのはやむをえません。しかし、そのワールドクラスの運動性能は、いまもなお世界中のスバリストを魅了してやみません。
●日産「GT-R」
日産のブランドアンバサダー就任式でプロテニスプレーヤーの大坂なおみ選手が、「(リーフよりも)GT-Rの方がいいな!」といってニュースになった、日産のプレミアムスポーツである「GT-R」は、燃費という面で見ても、浮世離れしているクルマです。
パワートレインは、3.8リッターV型6気筒ターボのVR38DETT型エンジンで、その出力はベーシックなGT-Rで570馬力となります。
ボディサイズは全長4710mm×全幅1895mm×全高1370mm、ホイールベース2780mm。車両重量は1980kgです。そこから得られた燃費は、WLTCモードで7.8km/Lです。
価格も図抜けていて標準モデルが1082万8400円から、もっとも高価なNISMOバージョンが2420万円と、国産車らしからぬ非常に高価なモデルとなっています。
しかし、その価格に見合った高度なメカニズムを凝縮して投入したスーパースポーツであることに異論はないでしょう。
GT-Rは、2007年の東京モーターショーで量産モデルが公開され、GT-Rを名乗るクルマとして初めてグローバル販売されました。
前述の高い出力のエンジンに加え、2ペダルの6速デュアルクラッチ式ミッションが挙げられます。エンジンを車両前方に搭載し、クラッチとそのトランスミッション・トランスファーを車両後方に配置する独立型トランスアクスルとしたパッケージ。
前ダブルウイッシュボーン式、後マルチリンク式のサスペンションにビルシュタインと共同開発した「Bilstein Damptronic」ダンパー。日産初のGT-R専用ランフラットタイヤはブリヂストン製とダンロップ製で、これ以外の銘柄は車両保証の対象外となっています。
そうしたGT-Rは、国産量販車としては初めて300km/hオーバーの最高速を持つクルマとなりました。当然、その代償として燃費が犠牲になっていることはいうまでもありません。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。