ついに80年の歴史に幕! 最後のVW「ザ・ビートル」ターボモデルはどんな走りなのか
すでにメキシコ工場での生産は終了し、2019年9月25日には最終ロットを乗せた船が日本に到着したフォルクスワーゲン「ザ・ビートル」。今回、ターボモデルである「2.0 Rライン マイスター」に試乗してみました。
初代ビートルマニアがデザインした「ザ・ビートル」
フォルクスワーゲン(以下VW)のブランドアイコンともいえるクルマが「ザ・ビートル」です。ルーツとなった「タイプ1」の生産開始は1938年。長い歴史がありますが、2019年をもって生産が終了。後継モデルの発表がないまま、約80年の歴史に幕を下ろします。
2019年9月25日には、最終ロットのザ・ビートルを乗せた船が到着。日本における最後の63台が陸揚げされました。
ザ・ビートルは、「ニュービートル」の後継モデルとして、2012年6月に日本に上陸しました。それからマイナーチェンジや商品改良を経て現在にいたっています。
日本では、年数が経ったいまでも好評で、2016年の輸入車モデル別ランキングでは16位、2017年は同じく18位、2018年は18位と人気を維持していました。累計輸入台数は4万4681台です。
今回試乗したモデルは、ザ・ビートルのスポーティモデル、「2.0 Rライン マイスター」。211馬力/280Nmを発生する2リッターターボエンジンを搭載、6速DCT(DSG)と組み合わされます。駆動方式はFF(前輪駆動)です。
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久しぶりに見たザ・ビートルのスタイルは、低めのルーフと短いボンネットで非常にスポーティな雰囲気です。先代のニュービートルが円弧のシルエットを強調したデザインだったのに対し、ザ・ビートルは初代のテイストに似ています。
以前、ザ・ビートルが登場した2012年にエクステリアデザイナーが来日した際、ラウンドテーブルで話を聞く機会がありました。インドネシア出身の若きデザイナーのC.レスマナ氏は、子どものころから父親が乗っていた初代ビートルが身近にあり、生粋のビートルマニアとして育ったとのことでした。
レスマナ氏はザ・ビートルの外観をデザインする際、初代の持つシルエットを崩さないようにした、と語っていました。「いまだに父親の古いビートルはインドネシアにありますし、ドイツでも3台所有しています」(レスマナ氏)
そんな「ビートル愛」にあふれたデザイナーの作品なので、ザ・ビートルの外観は初代のオーラを色濃く残しています。日本での発売からすでに7年が経つクルマですが、いまだに街ゆく人々からの視線を集めます。
室内に入ると、ダッシュボードの上に備わった3連メーターが目をひきます。サイドの張り出しが大きく、包まれ感の強い本革シートもスポーティ感をあおります。カジュアルな雰囲気のザ・ビートル自然吸気エンジンモデル「ベース」や「デザインマイスター」とは、ここが違うところです。
スタートボタンを押しエンジン始動、シフトセレクターをDレンジに入れ走り出します。
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