トヨタ「プリウス」に強敵登場! カローラの新旧併売で販売ランキングに波乱が起きる?
トヨタが世界初の量産ハイブリッド車「プリウス」を発売してから22年。いまではさまざまなモデルにハイブリッドシステムが搭載されています。それでも、プリウスの人気は衰えず販売台数ランキングの上位に位置していますが、最近になって同じくトヨタブランドをけん引してきた「カローラ」にその人気が脅かされています。両者の関係とはどのようなものなのでしょうか。
王者「プリウス」に元祖王者「カローラ」が牙をむく?
世界初の量産ハイブリッド車として、1997年に登場したトヨタ「プリウス」。現行の4代目モデルは、2015年から発売され、4年経ったいまでも人気モデルとして、販売好調です。
しかし、2019年9月に登場した12代目の新型「カローラ」がプリウス人気に影響を与えるのではないか、といわれているのです。プリウスとカローラにはどのような関係があるのでしょうか。
初代のプリウスは、世界初の量産ハイブリッド車として1997年に発売。その後、2代目(2003年)、3代目(2009年)、そして現行モデルとなる4代目(2015年)とハイブリッド性能の進化や時代に合わせたデザインへの改良とともに歴史を重ねています。
対するカローラの初代モデルは、1966年に誕生しています。その後、国内登録車販売台数ランキングにおいて1969年から33年連続で1位を獲得します。その後も、2003年から2007年に1位になるなど、トヨタブランドをけん引する存在でした。
そして、前述の3代目プリウスが登場したすると、カローラは首位の座を奪われます。とくに、年間の販売台数において、3代目プリウスは2010年(31万5669台)、2012年(31万7675台)と過去にもあまり例がない30万台超えを2度も達成するなど、「トヨタ=プリウス」「プリウス=ハイブリッド車」といえるほど、世界的に人気なモデルとなったのです。
現行モデルのプリウスは、登場時に外観デザインが奇抜なデザインだったこともありユーザーから不評だったことや、電動パワートレインe-POWERを搭載した日産「ノート」やトヨタのハイブリッド専用車「アクア」など社内外にライバルが現れたことで販売台数が伸び悩み、2018年には日産「ノート」が初の販売台数1位になります。
プリウスは2018年12月にビッグマイナーチェンジをおこない、外観デザインや安全性能に手をいれました。その結果、2019年上半期(1月から12月)では首位に返り咲きます。
プリウスの販売状況について、トヨタの販売店スタッフは次のように説明しています。
「プリウスが久しぶりに販売台数で上位にきたのには、いくつか理由があります。とくに大きな要素としては、2018年12月のマイナーチェンジで、デザイン変更と『トヨタセーフティセンス』を全車標準装備したことです。
ユーザーにとって、デザインはクルマを選ぶ上での重要なポイント。さらに、近年注目される安全装備も充実したことで販売台数が伸びているといえます。
上記をふまえて、2019年4月の販売台数が伸びたもうひとつの理由は、法人のお客さまが会社の決算期が変わったことで、社用車などを新調するなど切り替わりのタイミングだったことが大きいです」
このように大幅に手をいれたことと、法人需要が重なったことによりプリウスの販売は好調だったようです。しかし、そこに待ったを掛けるのが新型カローラです。
2019年9月17日に発売された新型カローラは、セダン(車名:カローラ)とワゴン(車名:カローラツーリング)がフルモデルチェンジされました。
しかし、先代モデルとなるセダン「カローラアクシオ」とワゴン「カローラフィールダー」は、引き続き販売されるといいます。新型モデルと併売する理由について、トヨタは次のように話します。
「法人のお客さまを含めた幅広いニーズに対応するため、先代モデルのカローラアクシオとカローラフィールダーは、設定グレードや一部の装備を見直して、引き続き販売します」
※ ※ ※
カローラは、法人向けに先代モデルを残すとしています。前述の国内登録車販売台数ランキングでの統計方法は、「国産メーカーの同一車名を合算したもの」としています。
そのため、プリウスは「プリウス+プリウスPHV+プリウスα」となり、カローラでは「カローラ+カローラツーリング+カローラスポーツ+カローラアクシオ+カローラフィールダー」という形で合算されることから、今後カローラシリーズの販売台数がランキングに大きな影響を与えるかもしれません。
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