トヨタ新型「ヤリス」は黒豆だった? 後席空間を割り切ったトヨタの想いとは

「ヴィッツ」あらため新型「ヤリス」はどうしてこれまでのコンセプトを一新したのか、かつてトヨタのインド法人社長(当時)にインタビュー経験のある桃田健史氏がその理由を推理します。

インドでスズキから学んだ失敗体験も踏まえたヤリスの世界戦略

 新型ヤリスは、先代モデルに比べて全長のみ5mm短くなっているだけですが、実際に見るともっと小さい印象を受けます。普通、デザインで実際の寸法より大きく見せることが多いのですが、新型ヤリスは逆に小さく見せているのはなぜでしょうか。

インドなど新興国向けのAセグメント車「エティオス」(セダン)
インドなど新興国向けのAセグメント車「エティオス」(セダン)

 新型ヤリスの発表の際に、Aセグメントなどより小さいクルマについては、トヨタのグループ企業であるダイハツが主体となり日本を含めた世界市場向けに開発すると説明しています。さらにBセグメント以上は、ダイハツからの知見を得てトヨタが主体となる、としています。
 
 そのうえで、世界的なトレンドとして、Bセグメントのボディサイズは大型化する傾向にあり、カローラやフォルクスワーゲンゴルフが属するCセグメントに近くなるような流れがあるなか、「あえて、ヤリスはコンパクトなイメージを追求した」と主張するのです。

 こうした小ささのこだわりについて、筆者(桃田健史)はインドなど新興国向けのAセグメント車「エティオス」で、トヨタが味わった苦い経験が影響しているのではないかと考えます。
 
 エティオスは2011年に発売された、高級路線を狙ったAセグメントのクルマだったのですが、結局は中途半端に車両価格が高いクルマとなってしまったことが原因で、トヨタが重要視していたインド市場でスズキに惨敗してしまいました。
 
 インド現地でトヨタのインド法人の社長(当時)から、インド市場開拓の難しさとスズキの商品と事業戦略のすごさに関して筆者は聞いたことがあります。
 
 このときのエティオスによる苦い経験が、トヨタとスズキによるインド国内でのEV事業の協業を生み、その後、2社の事業連携が強化されたのです。
 
 新型ヤリスの発表会では、世界の自動車市場のシェアについても言及がありました。
 
 初代ヴィッツが発表された1999年は先進国が75.8%、新興国が24.2%だったのに対して、20年後の2019年には先進国が43.5%、新興国が56.5%となり大きく先進国を追い抜きました。

 こうした情勢を踏まえ、AセグメントやBセグメントなどのコンパクトカーの在り方が大きく変わってきています。
 
 トヨタとしては、新興国向けのAセグメントはダイハツとスズキに任せ、これまでのBセグメントの考え方を大きく変える必要があったため、トレンドとは相反する小さくても中身が凝縮した黒豆ヤリスという発想にいたったのではないでしょうか。
 
 ヴィッツあたらめ、日本でも世界市場と同じヤリスという名に変わったことには大きな意味があるのです。

黒豆改め赤豆ヤリスを見てみる(14枚)

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Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。

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