初代は偉大なクルマだった!? 世界を変えた日本車3選
量産ハイブリッド車はここから始まった
●トヨタ「プリウス」
「ハイブリッド」という言葉は、主に生物学の用語でしたが、クルマの場合はエンジンとモーターといった異なる動力源を同時に搭載している場合の総称になります。
エンジンとモーターを搭載したハイブリッド車の歴史は古く、自動車が発明された直後の19世紀には作られていました。
低燃費化、低排出ガスの切り札として世界中のメーカーがハイブリッド車の研究・試作を繰り返しますが、安定した電池の製造と希土類を使ったモーターのコスト、重量増や制御技術の難しさにより量産化にはいたりませんでした。
そうした困難な状況のなか、トヨタが量産乗用車初のハイブリッド車の開発に成功し、1997年「プリウス」を発売します。「21世紀に間に合いました」というキャッチコピーが大いに話題となりました。
プリウスの開発目標は同クラスのガソリン車の2倍の燃費性能で、当時としては驚異的な28km/L(10・15モード)という低燃費を実現。
CO2の排出量を2分の1にし、さらにCO、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)といった大気汚染物質を、当時の規制値の約10分の1にすることにも成功しています。
これを実現したのは、58馬力の1.5リッター直列4気筒ミラーサイクルエンジンと、41馬力のモーター、さらにエンジンとモーターの駆動配分や、発電を制御する動力分割機構を組み合わせたTHS(トヨタ・ハイブリッド・システム)です。
車体は空力性能を考慮したデザインの4ドアセダンで、サイズは全長4275mm×全幅1695mm×全高1490mmと5ナンバーサイズに収まるコンパクトな設計でした。
当時の価格は215万円(消費税含まず)と、同クラスのガソリン車よりもかなり高価でしたが、トヨタはコスト度外視で実際はバーゲンプライスだったようです。
発売直後は、高価な価格のため年間販売台数は2万台ほどにとどまり、これは当時の「カローラ」の10分の1にも満たない台数でしたが、その後の爆発的ヒットは記憶に新しいでしょう。
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今回、紹介した3車種のなかで、プリウスは別格といっていいほどの性能で、最新モデルでもカタログ燃費は未だにトップに君臨しています。
メカニズムは進化しているものの、基本的な構造は初代から大きく変わっていません。
これは初代プリウスがどれほど考え抜かれて設計されていたかということではないでしょうか。