打倒ホンダ「N-BOX」なるか!? スズキ「ワゴンR」はかつての輝きを取り戻せるのか
現在軽自動車市場を席巻しているホンダ「N-BOX」をはじめ、近年は「スーパーハイトワゴン」と呼ばれる軽自動車が人気です。一方、かつて販売ランキング上位の常連だった「トールワゴン」タイプの軽自動車は、現在どのような販売状況なのでしょうか。
旬は過ぎた? 「ワゴンR」をはじめとしたトールワゴンの現状とは
近年、軽自動車市場ではホンダ「N-BOX」をはじめとする、全高1800mm前後の背の高いボディと、後席両側スライドドアを装備した「スーパーハイトワゴン」と呼ばれるカテゴリのモデルが売れ筋となっています。
一方、かつて販売ランキング首位を獲得し続けた全高1700mm前後で後席ヒンジドアの「トールワゴン」と呼ばれるカテゴリの軽自動車は、いまは当時ほどの人気がないように見えますが、実際はどのような状況なのでしょうか。
トールワゴンに属する車種には、販売ランキング首位の常連だったこともあるスズキ「ワゴンR」や、ダイハツ「ムーヴ」、ホンダ「N-WGN」、日産「デイズ」などが存在します。
一般社団法人 全国軽自動車協会連合会のデータによると、2019年時点で、ワゴンRが最後に軽乗用車販売ランキング1位を獲得したのは2011年です。この年のワゴンRの販売台数は16万439台を記録しました。
続く2位にはムーヴ(14万5201台)、6位にはN-WGNの実質的な前身モデルといえるホンダ「ライフ」(6万7574台)がランクインしています。
その後、ワゴンRやムーヴをはじめとするトールワゴンの車種は販売ランキングを徐々に下げていき、2018年の軽乗用車販売ランキングでは、ムーヴが5位(13万5896台)、ワゴンRが6位(10万8013台)となっています。
なお、3位にデイズ(14万1495台)がランクインしていますが、この数値はスーパーハイトワゴンの派生車種「デイズルークス」も含む数値となっています。
※ ※ ※
スーパーハイトワゴンの人気に押されてトールワゴンタイプの人気が下がっているかのように見えますが、実際はそれほど低調という訳ではありません。
なぜなら、トールワゴンタイプの軽自動車に、派生車種としてSUV化したモデルが登場していて、人気を博しているからです。
普通車の販売市場では、現在SUVが一大勢力を誇る人気ジャンルとなっていて、その波が軽自動車にも波及しているともいえます。
火付け役となったのは、2014年1月に発売されたスズキ「ハスラー」です。ハスラーは、ワゴンRをベースに内外装をSUV風に仕立てたモデルで、かつて存在した「Kei」の代替として設定されたといわれています。
SUV人気の波に乗ったハスラーは2014年に10万4233台を販売し、ランキング10位となります。発売から4年が経過した2018年も販売台数6万5291台となっており、ランキングは9位と順位を落としていません。
そして、2018年の販売台数におけるワゴンRの販売台数(10万8013台)とハスラー(6万5291台)を合算した17万3304台という記録は、じつはスーパーハイトワゴンのランキング2位「スペーシア」(販売台数15万2104台)を超えるのです。
SUV風の外観を持つハスラーの人気を受け、三菱も2019年3月にトールワゴンの「eKクロス」を発売し、販売拡大を図っています。
また、スズキの販売店スタッフは「現在の軽自動車市場のなかで、ワゴンRはいまのトレンドから外れているかもしれませんが、根強いファンや固定客層が存在します」と話します。
規格に縛られていることから差別化がしにくい軽自動車とはいえ、販売ランキング10位前後まで見ると、人気の軽自動車の車種にはさまざまな多様性が残されているのです。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。