MoMAに永久収蔵されるクルマは、どれもカワイイ顔だった!

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●フィアット「500」

 MoMAに収蔵されているクルマで、ウィリスM-38A1に引けを取らないほど誰もが知っている市販車といえばフィアット「500」でしょう。現在でもローマやフィレンツェなどの市街地でよく見かける、イタリアの国民車です。

「チンクエチェント」の愛称で親しまれるフィアット500
「チンクエチェント」の愛称で親しまれるフィアット500

 1957年に登場した500は、20年もの長きにわたって生産され続けます。MoMAが収蔵している500は、1968年製です。
 
 ちなみにMoMAでは、500を手がけたカーデザイナーでありフィアットの技術部長であったダンテ・ジアコーサの名で登録されています。
 
 アニメ「ルパン三世」の劇中では、よく登場人物が屋根から上半身を出していますが、500に標準装備のキャンバストップは、車内にこもるエンジンの騒音対策のために屋根を切って対処した産物でした。
 
 誰からも愛されるジアコーサが手がけた500のデザインは、2007年に3代目として登場したフィアット「500」に受け継がれています。

●チシタリア「202クーペ」

 チシタリアとは聞き慣れないメーカー名ですが、第二次世界大戦後にイタリアの大富豪ピエロ・ドゥジオが創業したメーカーです。
 
 ボディのデザインは、イタリアのカロッツェリアであるピニンファリーナが手がけ、1951年にMoMAで開催された特別展で「動く彫刻」として展示されました。
 
 MoMAに永久収蔵されているチシタリア「202クーペ」のボディはレッドで、1946年製です。ピニンファリーナの工房でボディはつくられましたが、実際にデザインしたのはヴィニャーレともいわれています。そういわれるとフロントの左右フェンダーに穿たれたふたつの穴も、ヴィニャーレらしくて納得です。

 ボディとフェンダーが一体化していたチシタリア202クーペは、その後のカーデザインに大きな影響を与えました。それまでのクルマは、フォーミュラマシンのように四輪はボディから突き出すようにして配置されていました。
 
 それがチシタリア202クーペの登場で一変。1950年以降、現在に至るカーデザインの源流となったのです。
 
 ただ美しいだけでなく、カーデザイン史における金字塔としても、チシタリア202クーペはMoMAに永久収蔵される価値があるのです。
 
 全体的に丸みを帯びたボディ、とぼけた口のようなグリルデザインは、愛らしささえ感じます。
 
 これまで紹介した5台のなかで、チシタリア202クーペだけが、新車当時から超高級車で、クーペとオープンモデルをあわせても200台も生産されていないようです。
 
 ほかの4台は、広く世に普及し、欧州や北米などの路上の彩りとなったクルマたちでした。
 
 ちなみに、チシタリア202クーペも愛知県のトヨタ博物館に収蔵されています。

※ ※ ※

 ジャガーEタイプ ロードスターは、クラシックカー市場でも非常に人気の車種で、程度のよいものは高額になりました。
 
 いま日本で気軽に手に入れるとしたらスマート シティクーペ、そしてちょっと背伸びすればフィアット500も入手可能です。ウィリスM-38A1ジープは、ライセンス生産されたデザインの近いものや、市販モデルとなるCJ-5を中古車市場で探し出すことができるかもしれません。
 
 チシタリア202クーペは、海外オークションに出品されるのをチェックするか、直接オーナーから譲ってもらうしか入手方法はありませんが、軽く数億円することだけは間違いありません。

 いずれにしても、MoMAに永久収蔵されているクルマはどれも、女性ウケする愛くるしい容姿をしていることだけは確かなようです。

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