2020年11月に日本で開催されるWRCって何? F1とはどう違うのか

2020年11月に、愛知県と岐阜県でWRCが開催されます。F1に代表されるような、サーキットでおこなわれるレースとはまったく違うというのですが、どのような点が違うのでしょうか。

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 2020年の11月に、WRC(世界ラリー選手権)が日本で開催されることになりました。とはいえ、日本ではWRCという競技はどんなものかまったく知られていないと思います。

 開催地となる愛知県と岐阜県の賑わいや盛り上がりは、皆さんが考えるよりはるかに大きくなるということも想像できないでしょう。ということで、WRCとはどんなイベントなのか紹介します。

WRC2019年第10戦ドイツに参戦するトヨタ「ヤリス WRC」
WRC2019年第10戦ドイツに参戦するトヨタ「ヤリス WRC」

 2020年に日本でおこなわれるWRCの競技区間はすべて舗装路。ラリーを知っている人のなかには、ラリーといえば砂利道をホコリ巻き上げて走るイメージが強い人もいると思いますが、すべて舗装路で開催されるイベントもあります。

 2019年でいえば、コルシカ島でおこなわれるラリー・フランスと、ラリー・ドイツです(モンテカルロも舗装ながら雪とのミックス)。ドイツを例に挙げて紹介します。

 まず競技のベースとなる場所が決められます。ドイツの場合、湖の畔にある公園です(日本ではモリコロパーク)。そこに、サービスパークと呼ばれる各チームの整備場所が置かれます。

 競技車両はここからスタートし、一般道を走って競技区間のSS(スペシャルステージ:基本的に公道を閉鎖したコース)へ。午前と午後、それぞれ3本から5本のSSを走り、サービスパークへ戻ります。

 それを3日間続ける、というイメージでよいです。サービスパークからSSまでは競争とまったく関係ない「リエゾン」と呼ばれ、一般道を道交法を遵守し普通のクルマと一緒に流れに乗って走ります。

 ドイツもそうだけれど、リエゾンを見る人がたくさんいて、世界中から集まってきたカラフルなラリーカーは、見ているだけで楽しいと思います。

 実際、12年前に北海道の帯広で4年間開催されたラリージャパンでも、リエゾンの観客の多さに驚きました。来年からの開催が決まった愛知県/岐阜県は開催地域の人口も多いため、もしかすると世界でもっともリエゾンの観客多いWRCになるかもしれません。

 基本的にサーキットのなかだけで開催されるレースとまったく違い、開催地域すべてが賑やかになります。

 豊田章男社長がF1でなくWRCを選んだ理由のなかに、地域おこしという点もあったと聞きました。実際、参戦車両の開発に着手もしていない早い段階でラリーを見に行った際、メディアから感想を求められ「日本でも開催できたらと思いました」。

 この時点で、WRCを走るトヨタ車はイメージできなかったと思います。

 日本の自動車文化を日頃から考える章男社長からすれば、信じられないほど速くて迫力満点なWRカーの走りだけでなく、地域全体の盛り上がり具合も魅力的だったのでしょう。

 しかも、見に行くのに少なからぬ金額が必要なF1と違い、リエゾンなら無料。クルマに興味を持ってくれる子ども達もいるだろうし、お年寄りだって自分の家の前で楽しめます。

 嬉しいことに、WRCの日本開催は3年連続の契約。最初の年こそ理解できない人も少なくないだろうが、3年後には素晴らしい地域のお祭りに育っていると予想しておきます。もちろん経済効果だって大きい。

 なにしろ観戦者は3日間開催地域に泊まり、食事もする。レースのような「通過客」ではありません。地方自治体にとって素晴らしいイベントになると思います。

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Writer: 国沢光宏

Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。

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