なぜトヨタは華あるF1ではなくラリー参戦? 苦戦続いた欧州市場も好調な理由に「WRC」?
トヨタは、ほかの日本メーカーが苦戦しているヨーロッパ市場において2019年現在も好調を維持していますが、そこにはトヨタがおこなっているモータースポーツ活動が良い影響を与えているといいます。いったい、どういう状況なのでしょうか。
トヨタがヨーロッパ市場「一人勝ち」の要因とは
ヨーロッパ市場で日本車勢が軒並み大苦戦しています。ホンダやスバルなど、撤退した方がいいんじゃないかと思えるくらい厳しいです。そんな状況のなか、一人勝ち状態なのはトヨタです。なぜトヨタはヨーロッパ市場で好調なのでしょうか。
たとえば、イギリス市場における2019年1月から8月までの販売台数と、昨年2018年1月から8月までの販売台数を比べると、全体で-3.4%になります。イギリスはやや景気悪いです。
フォードやアウディなども、前年より10%近く販売台数を落としています。日産も-10%。ホンダなど-17%というから厳しい状況です。そんななか、トヨタは+3.6%と販売台数を伸ばしてます。
フランスも全体で3%の減少になっており、日産は-44%の一方、トヨタは6.2%のプラス。ヨーロッパ全域でトヨタがシェアを伸ばしているという感じです。
このような状況について、ヨーロッパのメディアやジャーナリスト達に聞くと「WRC(世界ラリー選手権)で存在感を見せているからでしょうね」と口を揃えていいます。
以前から「ヨーロッパで大衆車を売るなら、売っているクルマでラリーに出場して、性能をアピールしなければダメ」といわれてきました。考えてみれば、日本車も以前はヨーロッパ進出にあたりラリーを重視していたと思います。
日産や三菱は、早い時期からサファリラリーに出場していたうえ、トヨタも2代目「カローラ」の時代にヨーロッパでラリー活動を始めました。スバルがヨーロッパで驚くほど売れたのは、1990年代にWRCで勝ちまくったからです。
WRCを含めラリーは基本的に市販車両で競う競技のため、強ければ「良いクルマ」というイメージを作れます。
F1やル・マン耐久レースといったレース専用車両でおこなわれる競技もブランドイメージを作れますが、どちらかといえば高額ブランドの技術勝負のようなものです。F1の技術を使ったクルマを買えるワケではありません。
またF1を見に行こうとしても入場券が高く、気軽には見られない。普通のクルマを売ろうとしたらWRCなんだと思います。
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