幻のランエボSUV? 三菱の誇るスーパーSUV「エアトレック ターボR」ってどんなクルマ?
三菱には、かつて“ランエボSUV”といえるクルマが存在しました。いったい、どんなクルマだったのでしょうか。
三菱にかつて存在した激アツSUVとは?
近年、SUVは世界的に人気のジャンルとなり、各自動車メーカーからさまざまな車種がラインナップされています。三菱も現行ラインナップにSUVを持つメーカーのひとつです。
しかし、以前の三菱のSUVラインナップには、同社のスポーツモデル「ランサーエボリューション」のエンジンを搭載した高い走行性能が特徴の車種もありました。いったいどんなクルマだったのでしょうか。
三菱は、以前からSUVやクロカン四駆などRV系に属するクルマづくりを得意としており、高い知名度を誇る「パジェロ」をはじめさまざまな車種が存在します。
そんななか、三菱が2001年6月に発売したSUVが「エアトレック」です。このクルマは、オフロードだけでなくオンロードでの走行性能も併せ持ったモデルとして開発され、4WD仕様だけでなく2WD仕様も用意されました。機械式立体駐車場に入庫可能な全高1550mmに抑えられていることも特徴です(一部グレード除く)。
そして、2002年6月にエアトレックへ追加されたスポーティモデルが「ターボR」です。
エアトレック ターボRの特徴は、ランサーエボリューションシリーズと同じ2リッターターボエンジン4G63型を搭載した点です。
ランサーエボリューションシリーズは、WRC(世界ラリー選手権)に参戦することを目的に開発されたクルマで、同社の歴代モデルのなかでも突出した走行性能を誇ります。
エアトレック ターボRでは、ランサーエボリューションシリーズの第1世代から第3世代まで搭載されていた高性能なターボエンジン4G63型をデチューンして搭載。最高出力240馬力/最大トルク35.0kg-mを発揮し、スポーツモード付5速ATと組み合わされることで、力強い加速を見せるSUVとして登場しました。
ビスカスLSD付センターデフ方式のフルタイム4WDシステムが採用され、足まわりのセッティングも変更されています。
発売当時は、ランサーエボリューションシリーズと同じエンジンを搭載していることもあり、ユーザーから驚きをもって受け入れられたクルマでした。
これほどまでに高性能なターボエンジン仕様が用意された背景としては、ライバル車のスバル「フォレスター」や日産「エクストレイル」に、当時ターボエンジン搭載モデルが用意されていたことが挙げられます。
2019年現在は、両車ともにターボエンジン仕様は消滅しましたが、当時はSUVカテゴリにおいてもターボエンジンがステイタスだったといえます。
そして、2002年1月にランサーエボリューションシリーズ初のAT仕様「ランサーエボリューションVII GT-A」が発売されたことも要因のひとつです。同じくスポーツモード付5速ATが組み合わされ、ランサーエボリューションの走りをATユーザーにも届けたクルマとして知られました。
その半年後、デチューンは受けたものの、ランサーエボリューションVII GT-Aと同じエンジン/トランスミッションを搭載したエアトレック ターボRが登場します。
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現在、エアトレックの後継車として「アウトランダー/アウトランダーPHEV」が販売されています。
このクルマには、ターボエンジン仕様の設定はないものの、4WDシステムに第4世代のランサーエボリューションでも採用されたS-AWCを採用。クルマを高いレベルでコントロールすることが可能となっています。
また、弟分にあたる「エクリプスクロス」にもS-AWCの設定があるほか、エンジンは新世代の1.5リッターガソリン直噴ターボエンジン4B40型と2.2リッターディーゼルターボエンジン4N14型の2本立てで、ともにターボエンジンが採用されています。
ランエボSUVといえたエアトレック ターボRはラインナップから無くなってしまったものの、走りの楽しいSUVという血脈は、いまもアウトランダー/アウトランダーPHEVとエクリプスクロスで保たれているといえます。
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