高速は走行不可の働くクルマ!? 今なお存在する超小型国産3輪トラックはどんなモデル?
数多くの種類がある「働くクルマ」ですが、なかには高速道路を走行することができないタイプのトラックがあるといいます。いったい、どんなクルマなのでしょうか。
3輪トラックはいまでも存在した! どんなクルマ?
街で私たちの暮らしを支える「働くクルマ」には、ボディサイズの大小も含め、さまざまな車種があります。そしてなかには、あえて高速道路を走ることができない設計となっているクルマもあるといいます。
働くクルマのなかでも走行できる範囲が制限されているモデルとは、いったいどのようなものでしょうか。
働くクルマのなかでも荷物を運ぶことを主な目的にしているクルマとしては、大型トラック・中型トラックをはじめ、「ハイエース」などの1BOXバンタイプ、軽トラック・軽バンなどがありますが、いずれも高速道路を走ることができるクルマがほとんどです。
そんななか、一般道における荷物の運搬を専門としているクルマが、光岡「ライクT3」です。
ライクT3は、定員2名の小型3輪自動車で、動力源にモーターが採用された電気自動車でもあります。
ボディサイズは全長2485mm×全幅1075mm×全高1575mm(L+グレード)と非常にコンパクト。ボディの前側は丸形のヘッドライトがひとつ装備されているだけのシンプルな外装で、お店の名前や企業名を入れやすいデザインとなっていることが特徴です。
荷物の運搬を重視して設計されており、ボディの後ろ側には最大100kgを積載可能な大型の荷台を装備。モーター駆動の採用によりトルクも力強く、最大積載時でも20%勾配の坂を走行することが可能です。
なお、最大速度は60km/hとなっており高速道路の走行はできません。登録上の扱いは、側車付軽2輪車(いわゆる『トライク』)となります。
光岡によると、ライクT3はオフィス向け菓子販売業の配達車や、鉄道会社の車両施設内作業車、観光レンタカー用の車両など、さまざまな用途で使われ始めているということです。
車両価格(消費税込)は150万6600円から154万9800円で、経済産業省の「クリーンエネルギー自動車導入促進対策費補助金」対象車です。
※ ※ ※
以前から光岡は、ライクT3のように一般道のみ走行できる「小さなクルマ」の開発をおこなってきた経緯があります。
2007年まで生産されていた1人乗りのクルマ「マイクロカーシリーズ」は、原動機付自転車(4輪)扱いのミニカーとして発売されてきました。
50ccエンジンやモーターなどを動力源として、さまざまな用途で使えるクルマとしてユーザーから支持を受け、スポーツカーをモチーフとしたものから荷物の配達を考慮したものまで多くのモデルが発売されました。
現在は販売されていないものの、これらのマイクロカーシリーズで培われたノウハウが、2人乗りの小型運搬トラックであるライクT3にも引き継がれているといえます。
高速道路から一般道まで、クルマによる荷物の運搬はさまざまな場面で見かけられますが、運ぶ荷物の量はシチュエーションによってまちまちで、そのうえ配達先が狭い道を通った先にあるという場合も考えられます。
そういった場所で、ボディの小さな3輪トラックは威力を発揮します。働くクルマにも適材適所があり、それぞれの得意分野を活かして今日も私たちの暮らしを支えているのです。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。