派手車なぜ減少? 大型リアスポイラー装着車が減っている理由とは

1980年の後半以降、高性能なスポーツモデルには、「大きく派手なほど効果が高い」と思われていたリアスポイラー(ウイング)が装着されていました。しかし、近年のスポーツモデルでは、装着しているクルマを見かけなくなりました。なぜリアスポイラー(ウイング)を装着したクルマは激減したのでしょうか。

「リアスポイラー」と「リアウイング」の違い

 クルマのトランクなどに取り付けられるリアスポイラーとリアウイングは、名称が違うだけでなく、効果や機能にも違いが存在します。

最近では珍しい大型リアスポイラーを装着したホンダ「シビック タイプR」
最近では珍しい大型リアスポイラーを装着したホンダ「シビック タイプR」

 リアスポイラー(ルーフスポイラー)は、ボディに発生する空気の流れに沿うように取り付けられたパーツのことです。

 クルマが走行して当たる空気は、ボディに沿ってフロントからリアに流れます。この空気が、クルマのルーフやトランクリッド後端から離れていく際に、空気の「渦」を生み出します。

 しかし、気流の乱れやクルマを反対方向に引っ張る負圧を生み出し抵抗となり、速度の低下や燃費悪化などを引き起こし、風切り音などの不快な音の原因にもなります。この空気の渦を少なく流れを整えるのがスポイラーの効果です。

 一方で、リアウイングは車両後端の高い位置に装着する翼端板で、航空機の翼のような形状のアイテムです。F1マシンを代表するレーシングカーなどにつけられているのは、ほとんどがこのウイングタイプです。

 これにも整流の効果もありますが、ウイングの役割で大きなものは、車体を地面に抑える力(ダウンフォース)を得るための装備です。

※ ※ ※

 市販車の純正装着パーツとして見る機会の減ったリアスポイラー(ウイング)ですが、最近のスポーツモデルでもオプションや上位グレードで選ぶことが可能です。

 スバル「WRX STI」では、全車に大型リアスポイラーをメーカーオプションとして設定されており、トヨタ「86」とスバル「BRZ」は、走行性能を重視したグレードになるとトランク上部に小型ながらもウイングを装着しています。

 また、17年ぶりに復活したトヨタ「スープラ(90型)」には、ダックテールとも称されるスポイラーが備わっています。

 市販車(特別仕様車を除く)のなかで唯一、大型リアスポイラーを採用しているのがホンダのスポーツモデル「シビック タイプR」です。

 減りつつあるリアスポイラー(ウイング)装着車。一方で、クルマの空力特性を向上させるパーツの進化は凄しく、前述したディフューザー以外にもアンダーカバーやエアロワイパーといった、目に見えない部分のパーツが採用されていることも少なくありません。

リアスポは大きい方がカッコイイ? 最近の装着車を画像でチェック(18枚)

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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