日産の名車「GT-R」と「フェアレディZ」 生まれや育ちが違う2台の誕生秘話とは

バブル経済絶頂期から現在まで、GT-RとフェアレディZの歴史は続く?

 その後、GT-RとフェアレディZが同時代を疾駆するのは、バブル経済絶頂期、1989年に登場する8代目スカイラインに追加となったGT-R(R32型)と、同時に登場したフェアレディZ(Z32型)です。

 GT-R(R32型)は、専用設計のRB26DETT型2.6リッター直列6気筒DOHCツインターボで、最高出力280ps/6800rpm、最大トルク36.0kg.m/4400rpmを発揮しました。

 組み合わせたトランスミッションは5速マニュアルのみ。駆動方式は、「ATTESA E-TS」と呼んだアクティブな4WDシステムを採用しています。

 対するフェアレディZ(Z32型)は、先代までの特徴だったロングノーズ・ショートデッキから変わって、前進したキャビンのワイド&ローなイメージを訴求。

 ボディサイズが大型化し、全幅1800mmの完全な3ナンバー車となりました。3リッターV型6気筒DOHC+ターボは、同時期のGT-Rと同じ最高出力280psを発揮、最大トルクはGT-Rを上回る39.0kg.m/3600rpmでした。

 そして皮肉なことにGT-RとZの両車は、日産の経営が行き詰まり、1999年にルノーとの提携がおこなわれた結果、生産中止に追い込まれます。

 現在、日産が販売している両車は、フェアレディZが2002年に33型として復活。現行モデルは、2008年にフルモデルチェンジしたZ34型です。

 そして、日産再建のためにCEOに就いたカルロス・ゴーンの命を受けてスカイラインの名が外れ、2007年に復活したのがGT-R(R35型)です。

日産「 GT-R(R35型)」(2020年モデル)
日産「 GT-R(R35型)」(2020年モデル)

 フェアレディZ(Z34型)は、ホイールベースを短縮しロングノーズ&ショートデッキを強調したFRの2座スポーツとして世界で販売されています。パワートレインは、3.7リッターV型6気筒DOHCで、最高出力336ps/7000rpm、最大トルク37.2kg.m/5200rpmを発揮します。

 国内価格は390万7440円から521万2080円(消費税込、以下同様)となり、NISMOバージョンが629万3160円から640万1160円。なお、50周年記念モデルは、458万8920円から466万6680円です。

 一方のGT-R(R35型)は、完全新設計のスーパースポーツです。GT-R史上初めて左ハンドル仕様が設定されたグローバルモデルでもあります。

 フロントエンジン+独立式トランスアクスルを置く世界初の4WD機構を採用。標準車(2020年モデル)のパワートレインは、3.8リッターV型6気筒DOHCターボで、最高出力570ps/6800rpm、最大トルク65.0kg.m/5200rpmを発揮。

 歴代GT-Rと大きく異なるのはトランスミッションで、全車デュアルクラッチ式の2ペダルとなったことです。価格は、1063万1520円から1253万9880円。NISMOモデルは、2019年7月時点で2020年モデルの登場が予告されていますが、詳細は公表されていません。
 
 なお、50周年記念モデルは1319万2200円から1351万6200円です。

※ ※ ※

 車両価格が2倍から3倍も違うGT-RとZ。立ち位置は異なり、当初から米国市場を向いていたフェアレディZは、正常進化を続けるロングノーズ&ショートデッキの保守的な高性能FRスポーツ。

 対するGT-Rは、過剰ともいえる最先端ハイテクを詰め込んだモデルで、毎年のように細かな改良をおこない、性能を向上しつづける、研ぎ澄まされたスポーツマシンです。

日産を代表する2大スポーツカーは、今後も歴史や伝統を守りつつ進化していくのかもしれません。

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