【今日はなんの日?】高速道路無料化に向けた社会実験が開始された日
民主党のマニフェストである高速道路の無料化を目指し、高速道路の無料社会化実験がスタートしたのが2010年の今日でした。
高速道路無料化社会実験は、どんな影響があったのか?
高速道路の無料化は、2009年9月に発足した民主党政党が掲げたマニフェストでした。そして、2010年6月28日に無料化に向けた社会実験をスタートさせます。
実験対象となったのは首都高速と阪神高速を除いた、すでに無料化されている区間を含む約30%の区間でした。
この実験の目的について、前原誠司国土交通相(当時)は「高速道路や一般道路の交通量、渋滞等の変化の計測」を掲げ、地域経済への効果や他の交通機関への影響などについて、全国的に調査・分析を実施。
無料化実験は2011年までの間に段階的に実施される計画で、地域ごとの効果を確かめるために、全国を6つの区域に区分して行われました。
実験の成果としては想像していたほどの影響はなく、無料化で高速道路の交通量が増えたり、一般道の交通量が減少するようなことはなかったようです。
計画では2012年には完全な無料化を目指しており、1.3兆円の予算を明記していました。しかし2011年3月に発生した東日本大震災により財政を圧迫。2011年の無料化社会実験と、その後の完全無料化を凍結するに至ったのです。
ちなみに、東日本の復興財源に対しては、凍結された無料化実験の予算から1000億円が回されました。
民主党政権は、発足から3年で終わりを迎えます。そして自民党が与党へ戻った2012年12月には、甘利政調会長(当時)が、無料化の実験で道路運営会社の借金返済に影響を及ぼす点などの問題を挙げ、計画は実現的ではないとの見方を示しました。
そして2017年7月には、高速道路調査会により最終報告書がまとめられ、高速道路は常にメンテナンスを必要とするものであり、将来的に通行料金を無料にした場合、費用を全て税金でまかなうのは困難であることなど、現在の料金制度を継続する理由が明示されました。
この結果により、高速道路の完全無料化は難しいと思われますが、高速道路建設によって発生した債務は、2050年までには一旦、完済できる見通しが立っています。そのため、それ以降は料金の見直しが入る可能性は大いにあると思われます。
しかし今後は老朽化するエリアもあり、道路メンテナンスを専門に行う技術者の確保・育成も課題となってくるはずです。
高速道路を利用する側としては料金が安いに越したことはありませんが、安心して走行できる状態を維持するためには、レベルの高い管理とメンテナンスは避けられません。
【了】
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