軽自動車の「64馬力規制」なぜ残る? 廃止25年経つ「280馬力規制」の普通車と違う理由

「280馬力規制」撤廃の普通車、今ではGT-Rなど多くのクルマがハイパワー化

 1994年に廃止された普通車の「280馬力規制」。なぜ、280という中途半端な数値になったのでしょうか。

 規制導入の際に、「280馬力」となった理由は、当時市販されていたクルマのなかで最高出力を誇っていた日産「フェアレディZ(Z32型)」が280馬力だったからです。市販車よりも低い規制値となると開発段階中のクルマなどにも影響が大きいという配慮もありました。

「280馬力規制」のきっかけとなった日産「フェアレディZ(Z32型)」

 その後、発売された日産「スカイライン GT-R(R32型)」やトヨタ「スープラ(A70型)」、ホンダ「NSX(NA型)」、三菱「GTO」など国産スポーツカーの代名詞といわれるクルマ達は軒並み280馬力を上限とした馬力数値です。

 その当時の日本市場では、今なお続く「ミニバン」や「RV(後のSUV)」などのジャンルに人気が出始めていたこともあり、規制があっても大きな問題にはなりませんでした。

 しかし、前述したように世界的な開発競争などによって、日本車の商品力を高めるために「280馬力規制」は廃止されることになります。

 その後、国内メーカーの販売するモデルは徐々に馬力を上げてきます。日産「GT-R(R35型)」は570馬力、ホンダ「NSX(NC型)」507馬力、トヨタ「センチュリー(UWG60型)」381馬力、日産「フーガ(Y51型)」333馬力などスポーツカーはもちろん、セダンタイプでも軒並み高出力化へと進化させています。

 過去、規制に至った背景には交通事故などの増加といった問題がありましたが、最近では先進安全技術も進化していることで、馬力が高くなってもそれを制御できるようになりました。

 また、最近では直列6気筒エンジンのような大きな馬力を発生させるエンジンも技術革新による燃費改善で、メルセデス・ベンツやBMWなど欧州メーカーから見直されています。

 このように、日本市場と海外市場とではニーズが大きく異なることから、日本独自規格の軽自動車における「64馬力規制」はこれからも残り続けるのだといえます。
 
【了】

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4件のコメント

  1. 配信を止めてください。

  2. スズキの軽用エンジンをのせた英国製のスポーツカーは80PS公称のうえ軽届車として輸入販売されてますが、この場合は64ps規制はあてはまらいのでしょうか?規制外であれば、それはなぜ?

  3. 質問しても回答なし。こんな記事やめたら?

  4. クルマニュース編集部さんへ。
    質問に応える気もなければこうしたコメント欄など不要でしょう。

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