セダンが他の車と同時に開発される理由 ボディ共用化の利点とは
クルマの基本形ともいえるセダンタイプの車種のなかには、コンパクトカーやハッチバックなどの別のクルマにトランク部分を付け足しただけのように見えるものが存在します。いったいなぜでしょうか。
コンパクトカーとほぼ同じに見えるセダンが開発される理由は
近年人気のクルマのボディタイプは、おもにミニバンやSUV、コンパクトカーなどがよく挙げられますが、いまだにクルマの「基本の形」ともいわれているのがセダンタイプです。
しかし、セダンのなかには、別のクルマをベースにトランク部分を足しただけで「セダン」と名乗っているように見えるクルマも存在します。クルマの基本形であるはずのセダンにも関わらず、なぜそのようなクルマが存在するのでしょうか。
セダンは、独立したトランクを持つことが特徴のボディタイプです。ミニバンやSUV、ハッチバックなどのボディタイプとは異なり、乗員のスペースと荷室が明確に区切られていることから、静粛性や剛性面で有利といわれています。
またRVブームやミニバンブームが起きる以前は、ファミリーカーといえばセダンという時代も長く続いていました。現在では、クルマの主流はほかのボディタイプに移行してしまったものの、セダンにこだわりを持つユーザーは少なくありません。
しかしセダンのなかには、よく見るとドアの形状やフロントマスクの雰囲気が同メーカーのコンパクトカー(ハッチバック)と瓜二つな場合が存在します。
そのような2台を横から並べてみると、車体前部から後席ドア付近までほぼ同じ形で、違いはトランク部分の有無だけ、というパターンも存在するのです。いったいなぜ似てしまうのでしょうか。
理由はそのセダンの設計時に、コンパクトカーと車体の大部分を共有化して開発がおこなわれているからです。メーカーによっては開発時に、コンパクトカーの派生車種としてセダンが企画されている場合も多く存在します。
自動車メーカーがコンパクトカーをベースにセダンを開発する理由のひとつに、販売面で主流のコンパクトカーとあわせて開発することで、より競争力のあるセダンを効率よく作りたいからということがあります。
一例として、2002年に発売された小型セダンのホンダ「フィットアリア」がありますが、このクルマはホンダの主力コンパクトカー「フィット」の派生車種として登場しました。
フィットアリアの特徴についてホンダは次のようにコメントしています。
「フィットアリアでは、弊社がフィットで採用して以来磨きあげてきた、独自の『グローバル・スモールプラットフォーム』をベースに、これまでのセダンでは考えられなかったスペースユーティリティを、現実のものにできるよう突き詰めていきました。
余裕の室内高をもたらす『グローバル・スモールプラットフォーム』の優位性を最大限に生かすことで、広びろとしたキャビンを獲得したほか、従来のセダンにはない多彩なシートアレンジを実現しています」
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前述のコメントで触れられた室内の広さやシートアレンジなどの特徴は、すべてベースのフィットから受け継がれたものであることから、フィットアリアはコンパクトカーとセダンの良さをあわせ持ったクルマであったといえます。
フィットアリアの後継車としては、現在「グレイス」が発売されています。
米国人がSDNが大好きですので、コンパクトカーSDNは昔から作られています。最近のデミオSDNのように国内で売られていないモデルもあります。