なぜOFFにできる? 環境に良さそうな「アイドリングストップ」 をキャンセルできる理由とは

クルマの燃費を良くするための「アイドリングストップ機構」は、状況やドライバーの好みによってはわずらわしいと感じる場面もあります。そういった場合はキャンセルすることも可能ですが、メリットやデメリットはあるのでしょうか?

低燃費化を実現するアイドリングストップも状況によっては不要になることも

 近年販売されているクルマには、さまざまな燃費改善装置が組み込まれています。そのなかでも代表的なものが「アイドリングストップ機構」です。

VWティグアンのアイドリングストップキャンセルスイッチ

 アイドリングとは、エンジンがストールしない最低限の稼働状態のことをいいます。かんたんにいうと、エンジンはかかっているがアクセルを踏んでいない状態のことです。

 アイドリングストップ機構は、主に信号待ちなどの停車中にアイドリングを自動で停止する機能で、ブレーキを踏みながら停止(微速度で停止する車種もあり)するとエンジンが止まり、一定時間経過するかブレーキをリリースすると再始動するようになっています。

 停車時のアイドリングは燃料を消費するだけで燃費には悪影響しか及ぼしません。停車中にエンジンを停止することによって余計な燃料消費が抑えられ、燃費が向上します。

 しかしこのアイドリングストップ機構、クルマによっては頻繁に起こるため、渋滞中のノロノロ運転などのシーンではエンジンストップ・始動が頻繁に繰り返され、わずらわしいと感じることも少なくありません。

 また、エンジンが止まることによってエアコンのコンプレッサーが機能しなくなり、夏場などは車内の温度が一時的に上がるなど、メリットばかりではないこともあります。

 こういった場面において、わずらわしさなどを解消するためのボタンが、「アイドリングストップキャンセルスイッチ」です。

 アイドリングストップキャンセルスイッチは、その名のとおりアイドリングストップの機能を一時的にオフにするスイッチで、クルマによって場所は変わってきますが、ステアリングの奥やセンターコンソールに配置されていることが多いです。このスイッチを押すことによって、アイドリングストップがされなくなります。

 スイッチを押すことによるメリットは、頻繁におこるアイドリングストップのわずらわしさから解放されること、そしてエアコンが常時作動状態になるため、車室内の温度が一定に保たれることです。

 また、セルモーターが回る回数も劇減るため、セルモーターの寿命も延びます。デメリットとしては燃費が悪化すること、そして環境にも悪影響を及ぼしてしまうことです。

 なかには「多少燃費が悪くなってもアイドリングストップしない方が良い」と思っている人もいますが、このスイッチは一度エンジンを切ってしまう(イグニッションオフ状態)とリセットされてしまい、またキャンセルしたい場合はもう一度スイッチを押す必要があります。
 
「毎回スイッチを押すのさえわずらわしい」と思っている人のために、サードパーティメーカーからは車種専用の「アイドリングストップキャンセラー」が販売されています。これを取り付けることによって、エンジンをかけるたびに毎回スイッチを押す必要がなくなります。

 自動車メーカーは日々新しい技術を開発し、より良いクルマ作りに努めていますが、アイドリングストップのように状況や好みによっては不必要な機能に関しては、ユーザーにある程度の選択肢を残しています。

 また、そういったユーザーの声を受けて、サードパーティメーカーも日々製品開発をおこなっているのです。
 
【了】

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