なぜ道路脇に「ツツジ」多い? 一般道や高速道脇に植物が存在する理由とは
一般道と高速道路で植えられている植物に違いはある?
では、一般道と高速道路での植えられている植物に違いはあるのでしょうか。前述のNEXCO東日本は次のように話します。
「高速道路では、背の高い種類として『アカマツ・クロマツ類』『スギ類』などの常緑針葉樹(年間を通して葉をつける樹木)、『コナラ』『サクラ』などの落葉広葉樹が多いです。
中低木では、『ツツジ類』『ハギ類』、地被植物(地表を覆うタイプの樹木)では『ヘデラ類』が多いなど、一般道とは植えられている樹種にやや違いがあることが挙げられます。
ヘデラとは、別名『アイビー』『セイヨウキヅタ』などと呼ばれるツル植物で、とくに高速道路の車道に接する箇所や壁面の緑化に利用されています。
これらの違いは、高速道路が土の造成箇所では法面を有すること、視点の移動速度が一般道と比べて大きいといったことが要因と考えられますが、一般道との正確な違いがどこまであるかは把握しておりません」
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また、高速道路では「環境保全機能」の一環として、緑化を積極的におこなっています。緑化状況について、NEXCO東日本は次のように話します。
「道路の法面(のりめん・盛土などで作られた人工的な斜面)は基本的に緑化をおこなうこととしており、高速道路上では高木で約2500万本、中低木で約1700万本が生育しています。
植栽に当たっては、前述した環境保全、景観保全、交通安全向上機能に適した樹種を路線別、IC区間別に選定しています」
また、高速道路の壁面緑化には「ナツヅタ」という植物が使われています。これは、甲子園球場の外壁を覆うツタから種子の提供を受けて、滋賀県湖南市の旧日本道路公団の育苗施設で育てたものを全国の高速道路に出荷しているそうです。
さらに、旧日本道路公団の創立30周年記念行事では、大規模なサクラの植樹をおこない、高速道路上で桜前線を楽しむ計画が実施されるなど、ただ環境や利便を目的としただけではなく利用者が「楽しいドライブ」になるような取り組みをおこなっていました。
一般道でも高速道路でも、ドライバーの目を楽しませてくれる街路樹は、さまざまな役割を持っています。道路脇の植物を目にした際は、その地域の特色などが活かされていることを覚えておいてもいいかもしれません。
【了】
道路わきのつつじは暗いし貧乏くさい。もうやめてほしい。ヨーロッパのように広葉樹か、米国のように何も植えないほうがよい。