人気の小型車市場どうなる? トヨタとホンダが新型車投入で日産「ノート」に宣戦布告?
トヨタ「アクア」日産「ノート」はなぜ売れる?
前述した販売台数上位のトヨタ「アクア」と日産「ノート」は、なぜ登場から年月が経過していながらも人気を維持しているのでしょうか。
トヨタ「アクア」は、「ヴィッツ」をベースに2代目「プリウス」のハイブリッドシステムを搭載したハイブリッド専用車です。
2011年のデビュー直後からプリウスより手軽な価格で買えるハイブリッド車として人気を博し、瞬く間にベストセラーモデルになりました。
人気の理由は、「取り回しの良いボディサイズ」と、「プリウス同等の燃費」となり、燃費を気にせずに走ってもリッターあたり22キロから25キロくらいを誇ります。
人気モデルの「アクア」について、トヨタの販売店スタッフは「目新しさは無いものの、改良やモデルチェンジをおこなうことで、常に新しい技術を投入しています。また、SUVテイストを取り入れた『クロスオーバー』というアウトドア風のモデルも人気です」と説明しています。
一方で、2018年の登録車で一番売れた日産「ノート」が人気の理由はどこにあるのでしょうか。
ひとつ目の理由として、2016年11月に新グレードとして追加された電動パワートレイン「e-POWER」の存在が挙げられます。
「e-POWER」は、100%モーター駆動で、力強くスムーズな走行性能と優れた静粛性を特徴とした日産のハイブリッドシステムです。
さらに、アクセルペダルの踏み加減を調整するだけで発進、加速、減速、停止までをコントロールできる「e-POWER Drive」も高い評価を受けています。
これらをテレビやラジオなどで広告することにより、『ノート=次世代のクルマ』というイメージ付けに成功しているのもポイントです。
実際に体感したユーザーは、『従来のアクセルとブレーキの操作がわずらわしく思えるほど』と新感覚のペダル操作方法に驚きを隠せないといいます。
日産「ノート」が売れている現状について、日産の販売店スタッフは次のように説明しています。
「ノート自体は、2005年に登場した初代モデルから『コンパクトカージャンル』の人気にあやかり、販売は好調でした。それに、『e-POWER』が加わったことでさらに多くのお客様が興味を持ってくださいました。
具体的な販売面では、2WDや4WD、NISMO仕様など、全39グレードを展開しています。そのため、お客様の細かなニーズに応えることができているのも大きいです」
※ ※ ※
売れるコンパクトカーは、最大の特徴といえる道路事情に合った使いやすいボディサイズやいまのトレンドとなっているハイブリッド車の環境・燃費性能の良さが重要な要素といえます。
新たに登場が予定される、ホンダ「フィット」やトヨタ「ヴィッツ」(アクア含む)が加わることで、ユーザーの選択肢が増えることで、一番古いモデルとなる日産「ノート」の人気陥落が危ぶまれます。
日産のコンパクトカーといえば「マーチ」が存在しますが、欧州では3代目モデルまで「マイクラ」という車名で、マーチの欧州仕様として販売されていました。
しかし、2017年3月には新型「マイクラ」として、「マーチ」とは別のモデルとなり販売され、ボディサイズは現行「ノート」と同等のサイズに大型化されています。
ホンダ「フィット」やトヨタ「ヴィッツ」などのライバル勢がフルモデルチェンジして商品価値を高めていくことに対抗するべく、新型「マイクラ」を日本市場に投入するなどの秘策が必要かもしれません。
【了】
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。